暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第204話「苦戦の中の幸運」
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と楽観視していたのかもしれません」

 二人は知らない事だが、ルーフォスは洗脳された時点で弱体化している。
 他の神界の神も洗脳されれば弱体化するが、ルーフォスの場合はそれが顕著だ。
 光が闇によって洗脳されていると言う事は、自身の力が抑制されているも同然。
 そのため、ユーリの攻撃であっさりと倒す事が出来たのだ。

「さて、対峙した時点で他の方と分断されましたが……」

「……どうやら、戦闘時の意識で切り替わるようですね」

 見渡せば、寸前まで見当たらなかった他のメンバーがいた。

「気の持ちようで疲労も消せますし……気は抜けませんね」

「はい」

 そのまま皆の下へと歩みを進めるサーラとユーリ。
 相性が良かったからこそ、こうもあっさり倒せた事を、胸に刻みながら……









「あぐっ……!?」

「くっ……!」

「ぐあっ!?」

 三人が次々と吹き飛ばされる。
 五つのグループの中で最も苦戦していたのは、司達の所だった。
 何せ、いくら強さを上げようとそれを上回ってくるのだ。
 苦戦しないはずがなかった。

「『くそっ、どうやって倒せばいいんだよ!』」

「『どんなに速く動いても、対処される……!』」

 スピードを上げれば、それ以上のスピードを。
 力押しをしようとすれば、それ以上の力で、司達を打ちのめす。
 どうあっても三人は劣勢のままだった。

「『……一つだけ、策があるよ』」

「『……何……?』」

「『司さん、それ、本当?』」

 だが、その戦いの中で司は活路を見出した。

「『奏ちゃんに続いて、私が転移で回り込んだ時に、ちょっとね……』」

「『御託はいい。……その策は?』」

「『二人に任せる事になるけど―――』」

 念話で司は二人に策を伝える。
 その間、ジャントは腕組みしたまま悠然と構えていた。
 理力を用いれば、念話に干渉も出来るが、それもしていなかった。
 “格上の性質”による傲慢さから、完全に余裕を持っているのだ。
 ……だからこそ、格上は格下に負ける事があると、わかっているはずなのに。



「じゃあ、任せるよ」

「ああ」

「ええ」

 説明が終わり、帝と奏の前に司が一歩踏み出す。
 気を落ち着け、祈祷顕現によって転移魔法をストックする。
 そして、二歩目を踏み出すと同時に……

「ッ……!」

 ジャントの背後に転移する。
 直後、二度目の転移が発動。連続転移により、僅かにでもジャントの反応を上回る。

「無駄だ!」
 
 だが、ジャントはさらにそれを“上回って”くる。
 先程までの攻防と同じように、司のスピードを上回る反応をしよう
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