第7章:神界大戦
第204話「苦戦の中の幸運」
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「くっ……!」
本来なら速さで圧倒できるはず。
しかし、ルーフォスはサーラを押し切れずにいた。
間違いなく、ユーリの弾幕が影響している。
「厄介ですね……」
「っ……!『ユーリ!』」
「『わかってます!』」
故に、ルーフォスはユーリへと狙いを定める。
馬鹿正直にサーラから倒す必要などないからだ。
そして、ユーリもそれは予期していた。
「ッ……!」
「今や魄翼は変幻自在……!貴女の光を、闇で包みましょう……!」
―――“Dunkel Belagerung”
肉薄してきた所で、ユーリは自分ごとルーフォスを魄翼で包み込む。
隙間なく魄翼が囲い、外から見れば一種の球体となる。
その時点でルーフォスの攻撃がユーリに届くが、既に防御魔法で身を固めていた。
「判断を間違えましたね」
「ッ、この程度……!」
いくら光の速さで動こうと、逃げ場がなければ意味がない。
ユーリは自分自身を囮にし、逃げ場を塞いだのだ。
「サーラの言う通りでしたね。特殊且つ強力な能力があれば、その分戦闘技術が低い相手もいるだろう……と」
戦闘中、サーラはルーフォスの様子を見てユーリに念話でそう伝えていた。
その推測の通り、ルーフォスは然程戦闘技術が高くない。
「低い、という程ではありませんが、策には嵌ってくれました」
包み込む魄翼が棘状となり、ルーフォスへと襲い掛かる。
それだけじゃなく、内部で展開した魔力弾と砲撃魔法も殺到する。
「ぅぁああああっ!?」
「貴女が光の性質を持つというのなら、私の闇も弱点となりうるでしょう?」
ユーリは制御できるようになったとはいえ、“砕け得ぬ闇”を持つ。
対し、ルーフォスは“光の性質”を持つ。
規模などが違うとはいえ、それらは対極に位置する。
既に邪神イリスによって闇に堕とされているが、それは変わらない。
故に、弱点足りうる。
「ッッ……!」
「くぅ……っ!」
しかし、ルーフォスもただではやられない。
防御魔法を貫き、光の刃がユーリを切り裂く。
「っ……サーラ!」
「―――はぁっ!」
その時、サーラが魄翼の包囲内に現れる。
転移魔法により、内側に飛んできたのだ。
「ッ……!?」
「逃げられませんよ!」
振るわれるアロンダイトを、ルーフォスは間一髪避ける。
しかし、魄翼の包囲の中では避けられる範囲がほとんどない。
おまけに、完全包囲されているため、中は暗闇だ。
……“光の性質”を持つ、ルーフォス以外は。
「幸運ですね。貴女の性質が、私達にとって有利に働いて
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