第7章:神界大戦
第204話「苦戦の中の幸運」
[5/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いるねぇ。だが、トドメとまではいかないみたいだ」
「さすがに神だから、規格外だもんね。でも、“意志”を挫けばいいのなら……」
「あたし達ならそう難しくない。こいつの耐久力次第さね」
既に全てのキクリエに瘴気は行き渡っていた。
予想以上に効果的だったため、ここまで簡単に浸食できたのだ。
他の神であれば、“意志”を以って瘴気を浄化されていただろう。
「鈴さん。もう瘴気で蝕んでいるから、浄化系じゃなければ攻撃しても大丈夫だよ」
「そう?じゃあ、私も攻撃に参戦させてもらうわ」
鈴もトドメに参戦するため、霊力を再び刀に込める。
「さぁ……覚悟しな!」
そして、敗北を刻み付けるための蹂躙が始まった。
「……私、途中いる意味あったかしら?」
「三人だからこそ余裕を持ってあの策を考えられたから、意味はあったよ」
「こればかりは相性の問題さね。そんな気にする事ないよ」
時間にして十数分後、戦闘は終了した。
分裂していたキクリエは消え去り、本体であろう一体が三人の足元で気絶していた。
「幸運だったよ。私達以外だと、もっと苦戦していたかもね」
「優輝や緋雪……後、司だったかい?三人の内誰かさえいれば、何とかなっただろう」
「帝って子も手段ならあったと思うよ?」
優輝は創造魔法などから、緋雪は同じく幽世にいたため。
司も祈祷顕現を応用して、帝も王の財宝から、対処できただろうと二人は言う。
だが、結局の所この三人で当たれたのは幸運でしかなかった。
いくら一体一体が弱かったとはいえ、際限なく増えるのは対処しにくい。
今回のような手段でなかった場合、“意志”を挫くような一撃で、毎回分裂した個体全てを殲滅しなければならなかっただろう。
「初戦からこれほど……あの二人が危惧するだけあるわね」
〈神に作られたボクもさすがに想像以上だよ……〉
とにかく能力が厄介で、倒すのに苦労する。
それが初戦を経た鈴の感想だった。
同意見なようで、神界謹製のマーリンも同意していた。
「他の皆も終わったかな?」
「どうでしょうね」
“負けた”という想像はあまりしていない。
それだけ、とこよ達も他の皆を信頼しているのだ。
「は、ぁっ!!」
サーラ達の戦いは、苛烈を極めていた。
瞬きをする間に、二人の攻撃と女神ルーフォスの攻撃がぶつかり合う。
「……!」
ユーリが魔力弾を大量に展開し、ルーフォスへと差し向ける。
嵐の如き弾幕だが、ルーフォスは悉く回避する。
だが、それはユーリの狙い通りだ。目的は、サーラに対する行動を誘導する事にある。
「ふっ!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ