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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第204話「苦戦の中の幸運」
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いるねぇ。だが、トドメとまではいかないみたいだ」

「さすがに神だから、規格外だもんね。でも、“意志”を挫けばいいのなら……」

「あたし達ならそう難しくない。こいつの耐久力次第さね」

 既に全てのキクリエに瘴気は行き渡っていた。
 予想以上に効果的だったため、ここまで簡単に浸食できたのだ。
 他の神であれば、“意志”を以って瘴気を浄化されていただろう。

「鈴さん。もう瘴気で蝕んでいるから、浄化系じゃなければ攻撃しても大丈夫だよ」

「そう?じゃあ、私も攻撃に参戦させてもらうわ」

 鈴もトドメに参戦するため、霊力を再び刀に込める。

「さぁ……覚悟しな!」

 そして、敗北を刻み付けるための蹂躙が始まった。



「……私、途中いる意味あったかしら?」

「三人だからこそ余裕を持ってあの策を考えられたから、意味はあったよ」

「こればかりは相性の問題さね。そんな気にする事ないよ」

 時間にして十数分後、戦闘は終了した。
 分裂していたキクリエは消え去り、本体であろう一体が三人の足元で気絶していた。

「幸運だったよ。私達以外だと、もっと苦戦していたかもね」

「優輝や緋雪……後、司だったかい?三人の内誰かさえいれば、何とかなっただろう」

「帝って子も手段ならあったと思うよ?」

 優輝は創造魔法などから、緋雪は同じく幽世にいたため。
 司も祈祷顕現を応用して、帝も王の財宝から、対処できただろうと二人は言う。
 だが、結局の所この三人で当たれたのは幸運でしかなかった。
 いくら一体一体が弱かったとはいえ、際限なく増えるのは対処しにくい。
 今回のような手段でなかった場合、“意志”を挫くような一撃で、毎回分裂した個体全てを殲滅しなければならなかっただろう。

「初戦からこれほど……あの二人が危惧するだけあるわね」

〈神に作られたボクもさすがに想像以上だよ……〉

 とにかく能力が厄介で、倒すのに苦労する。
 それが初戦を経た鈴の感想だった。
 同意見なようで、神界謹製のマーリンも同意していた。

「他の皆も終わったかな?」

「どうでしょうね」

 “負けた”という想像はあまりしていない。
 それだけ、とこよ達も他の皆を信頼しているのだ。









「は、ぁっ!!」

 サーラ達の戦いは、苛烈を極めていた。
 瞬きをする間に、二人の攻撃と女神ルーフォスの攻撃がぶつかり合う。

「……!」

 ユーリが魔力弾を大量に展開し、ルーフォスへと差し向ける。
 嵐の如き弾幕だが、ルーフォスは悉く回避する。
 だが、それはユーリの狙い通りだ。目的は、サーラに対する行動を誘導する事にある。

「ふっ!」

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