第7章:神界大戦
第204話「苦戦の中の幸運」
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「ふっ……!」
「はぁっ!」
優輝と緋雪が同時に仕掛ける。
しかし、その力は減衰させられ、避けられた。
「ははっ!」
「「っ……!」」
直後、何かに引っ張られるように、二人の体が飛ぶ。
神界において、本来は壁や地面の概念がない。
そのため、無意識に地面だと思っている場所に、地面の感触が出来る。
裏を返せば、意識すれば壁などを出現させる事も出来る。
「ぐっ……!」
「あうっ!?」
そして、その壁に二人は叩きつけられた。
まるで重力操作のように、あっさりと体を飛ばされたのだ。
「うぅ……全然倒せない……!」
「………」
攻撃が当たらない訳ではない。
威力が減衰しても、当てる事は出来ていた。
しかし、それだけで倒せはしない。
敵が……カエノスが敗北を認めない限り、倒れはしない。
「ははは、無駄無駄。これで俺様を……神界の神を倒せると?」
へらへらと、二人を嘲るようにカエノスは嗤う。
「ッ……!」
歯?みする緋雪だが、その通りだった。
このままでは、いつまで経っても倒せない。
「……なるほど」
だが、こうも考えられた。
このままでダメなら、変えればいいと。
「―――理解した」
さも当然かのように、優輝はそう言って一歩踏み出す。
そして……瞬時に転移魔法で肉薄した。
「へ……?」
「ふっ!」
間の抜けた声を上げるカエノス。
そこへ、優輝の容赦のない貫手が、目を潰す。
「はっ!」
そのままもう片方の手による貫手が首を貫き、そのまま引き寄せる。
膝蹴りが顎に決まり、カエノスの体が浮く。
「……!」
転移し、踵落としを叩き込もうとして……倦怠感が襲った。
「無駄だ」
「がっ……!」
だが、それがどうしたと言わんばかりにそのまま優輝は踵落としを叩き込む。
「この……!」
「遅い」
創造魔法による剣がカエノスに殺到する。
剣の勢いがカエノスの性質によって衰えるが、その内一本に優輝の蹴りが叩き込まれた。
加速した剣はカエノスを貫き、吹き飛ばす。
「“青の性質”。大体理解した。青色をイメージするものを扱えるために、イメージカラーが青である倦怠感なども操れる。……確かに厄介だろう」
一度間合いが離れたため、優輝が言葉を挟む。
その様子を、緋雪は驚いたまま見ているしかなかった。
「だが、その性質はお前自身にも作用している。……何度も動きの出が鈍かったな?」
「っ……ひ、ひひ。見破られたか……だが、だからと言って……!」
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