40植物、菌類との契約
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ェリカもお父さんの体も殺されて、二度と実験ができないようにされたのよ」
美游はクロエの指摘通り、試しに健康で美しい花をへし折って、ゴミ捨て場に放り込んでみた。
「ああ、この程度でも幸せになれるのね」
この世の仕組みと真理を知って絶望した美游は、愉悦部のようにして幸せになる手段と、他人を踏みにじって地獄の看守に出世する手段も知らされた。
「もし目が覚めてからも、ここでのことを覚えていたら、他人に優しくするのを止めなさい。誰かの相談に乗ったら、笑顔で最悪の選択を勧めてあげなさい。浮気の相談なら「真実の愛」を選ぶように言って密告もして地獄に叩き落してやって。変な宗教とか占い師から絶対に離れないように言って、引き離そうとしている家族は悪魔なんだと教えてあげるのよ」
「ええ」
美游は自分がいた世界や、別の花壇に入って踏みにじり、一周歩き回ってやって健康な花を全部ダメにしてやった。
「あら、そんなことしちゃダメでしょ、美游」
クスクスと笑い、花壇の死体を片づけながらゲラゲラ笑い始めたクロエ。
「この世界には救済は無いのね?」
「いいえ、宇宙にでも出て、人間の体を捨ててロボットにでもなったら、次の地獄が、今より少しマシな地獄が待ってるわ」
古い大脳皮質と言う、ホヤのような物が連結して脊髄動物になり、その頃からの呪いや苦しみを全て脳幹に受け継いでいる生命。
その上に新しい大脳皮質と言う、自分の名前や存在を認識できる中途半端な壊れた知能と抑制を与えられ、発達障害により自己すら正常に認識できないサイコパスや無能が多数を占める人類社会。
現代日本や欧米では、そんな障害の塊で単純労働しかできない99%のマヌケが生活すら立ち行かない政策が行われ、結婚できないようにされて断種させられている。
それでも愛だの恋だの抜かす、わずかな美形でスタイルもマシな者だけが選別され、汚らしいブサイクな物は淘汰されていく。
それはある意味、チベット人やウイグル人、ユダヤ人のように天に祈りが通じてこの地獄から民族浄化され、煉獄には残らないでも良いと言う救済かも知れない。
この世界はゼロ次元の凍結したコキュートスよりはましな場所で、点が移動して閉じた場所1次元の次、線が移動して閉じた場所2次元、さらに次の面が移動して閉じた場所3次元だと認識できた。
閉じた平面の上に張り付いて、Z軸の移動は重力に制限され、第4の軸、時間移動は禁止されていて、ただ未来方向に向かって転げ落ちて行く場所。
純粋な3次元空間、XYZ方向に移動制限がなく、時間移動が可能になると、時間軸移動に制限がある4次元空間の地獄に移転できる世界。
そこではレガシーを振り切って、640キロバイトのバラックであるdosの制限を抱えたまま、高層ビルのような32メガバイトのメモリ空間を利
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