第5話
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って”捕縛”が望ましいとの事ですわ。彼女がまだ幼い少女である事もそうですが、”黒の工房”についての情報を持っている可能性がある貴重な存在との事ですから。」
「そうなのか…………でも、どうしてそんな貴重な情報を俺達に?」
ある人物―――かつて内戦で何度か戦った事がある黒の工房のエージェントにしてミリアムとも何らかの関係がある少女―――アルティナ・オライオンを殺す必要がない事に安堵の溜息を吐いたリィンはデュバリィに自分達にアルティナの件を伝えた意図を訊ねた。
「貴方方は戦場での戦功を狙う私達にとって、一番の”好敵手”になりそうですから、教えただけですわ。勝負は公平に行うべきですので!―――それでは私達はこれで失礼しますわ。」
リィンの疑問に対して答えたデュバリィはその場から去りかけたが
「ふふ、あんな事を言っているけど、デュバリィはエレボニア帝国征伐に”灰色の騎士”まで参加する事になった原因は自分も関わった内戦が関係していたから、そのせめてもの”お詫び”としてまだメンフィルの上層部しか知らない最新の情報を伝えたのよ。」
「それとエリス・シュバルツァーの拉致監禁の件もそうだな。我ら”鉄機隊”の中でも最も”外道”な真似を嫌うデュバリィの性格を考えると、女学生の一人として平穏な生活を過ごしてきたエリス・シュバルツァーの拉致監禁を行った事には内心想うところはあっただろうしな。」
「エンネア!アイネス!何を吹き込んでいるのか知りませんが、これ以上”灰色の騎士”達に勝手な憶測を吹き込まないで、とっとと行きますわよ!」
エンネアとアイネスが残ってリィン達にある事を伝えている所に気づくと立ち止まった後振り返って声を上げて二人にその場から離れるように指示し
「はいはい。」
「―――それでは我らもこれで失礼する。お互いにとっての”初陣”…………お互い無事に生き残って戦功を稼げるといいな。」
デュバリィの指示を聞いた二人はデュバリィの後を追ってその場から去っていった。
「フフ、内戦の時から薄々感じてはいましたが、やはり他の”執行者”達と違って悪い方ではありませんでしたわね。」
「…………そうね。兄様を心配してくださっていた事や情報の件もそうだけど、わざわざ挨拶までしてくれたものね。」
「ああ…………それを考えると結社が崩壊したのは彼女たちにとっていい契機だったかもしれないな。」
デュバリィ達が去ると微笑みながら呟いたセレーネの意見にエリゼとリィンは頷いた。
「挨拶といえば…………兄様、私達と同じ小部隊に配属される他の二名の方達にまだ挨拶をしていないのですが…………」
「そうだな…………そういえばエリゼ。俺達と同じ小部隊に配置されることになった二人の事は連絡が来てから知ったが、二人とも俺にとっては顔馴染みなんだが、もしかしてエリゼがゼルギウ
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