暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica40目指す場所〜Purpose〜
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ゃなくてじわじわと凍結させることで、霧への対処を遅らせられる。

「さてと・・・!」

最小魔力で脚力強化を行って、霧の範囲外に出るために近くのビルの外壁を駆け上がる。屋上へとたどり着いて、みんなの交戦映像を見る。

†††Sideセレス⇒イリス†††

私を襲ってきたのは風を扱う天狗の仮面持ち。得物は2mほどの槍。コイツとの因縁はプライソン戦役時からだ。

「カタパルトヴィンデ!」

風で浮かせていた鉄パイプを始めとした鉄片を槍で弾いて超高速で打ち放ってきた。それらを“キルシュブリューテ”の腹で打って、その全てを仮面持ちへと返す。

「なっ・・・!?」

『風刃烈火!』

女の子の声と共に槍全体に黄緑色の風が纏わり付き、天狗の仮面持ちが槍を振るって返って来た鉄片などを全て弾き返した。そのちょっと前にわたしは高速移動歩法・閃駆で突進していて、放射状に広がる鉄片の中を掻い潜り、「でぇい!」バットのフルスイングの如く“キルシュブリューテ”を仮面持ちのお腹目掛けて振った。

「ぐぅぅ!?」

「ホームラン!」

魔力付加も魔法も無しな状態での一撃ってこともあってダメージは入ってない手応え。そもそも結界内に充満してるAMF効果が邪魔して、まともに魔法が扱えない。カートリッジを使い続ければ問題ないけど、ここで使い切っていいのかどうかも判らない。

「ま、ルシルから合図が来るまで粘って、合図を確認したら魔術とスキルを使って叩きのめせばいいか♪」

宙に魔法陣の足場を創って着地して、「ヴォルフ・クラオエ!」槍の穂に風を纏わせた仮面持ちが性懲りもなく突っ込んで来た。一直線限定での速度はなかなかのもの。なら対処はしやすい。

(前々から思ってるんだけど、どうして自分より速い相手にスピード勝負を挑むかな〜?)

あの仮面持ちより速い相手と常に模擬戦をしてるんだ。ただの突進に反応できないようなわたしじゃないよ。“キルシュブリューテ”を顔面に向かって繰り出される刺突を見切って、「ほっ!」首を傾げて回避。んで、槍の柄を左手で鷲掴んで突進を食い止めた。

「え・・・!?」『うそ・・・!?』

「驚くようなことじゃないと思うけ・・・ど!!」

――風牙烈風刃――

本来は風圧の壁を横に向けて放つ魔法を、刀身の振り下ろしと同時に直下に居る仮面持ちへと叩き付けてやった。ルシルが時折使う複製魔法・重力操作みたく、「ぐぉ!?」仮面持ちを地面に落とし、深さ1mくらいのクレーターの底に沈めた。

「おーい、大丈夫〜? わたしを殺しに来たんでしょ〜? なのにこの体たらくってまずくな〜い?」

“キルシュブリューテ”の切っ先でお尻をツンツン突く。すでにマントも学生服も学生帽も目出し帽も、そして仮面も粉々に砕けている。
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