File2−精霊のカード
ターン9 破滅導く魔性の微笑み
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の攻撃力を持つ暗い髪色の少女。その足元でわずかに胎動するその捕食者は、冷徹に網を張る大蜘蛛だ。少女の足元を中心としてさりげなく、ゆっくりと、だが確実に、その粘度の高い網が徐々に広がっていく。地面の暗がりにまぎれ、鋭い爪の付いたその8本もの足が地中からその間合いを示すかのようにわずかに地上にその先端を覗かせる。
カズーラの蟲惑魔 守2000
アトラの蟲惑魔 攻1800
「こいつも躱されたか……面倒くさい奴だな、ホントに」
「お互い様だ」
宮司の効果は対象を取るものであり、今のリリース・エスケープによってその発動は実質不発となった。しかも通常トラップを使わせたため、セラの効果まで通してしまうというなんともありがたくないおまけ付きだ。
「なら、これならどうだ?炎属性の不知火の陰者、そして刀神をそれぞれ右下、及び左下のリンクマーカーにセット。戦場燃え盛る妖の霊術よ、燃え尽きた魂に今一度生命の火を灯せ!リンク召喚、灼熱の火霊使いヒータ!」
灼熱の火霊使いヒータ 攻1850
2体のモンスターを惜しげもなく使い呼び出されたのは、ある意味では蟲惑魔以上に肌を露出させた赤い髪の少女。大胆にほぼすべてのボタンが外された白いシャツは上から胸当てで固定することでどうにか維持され、魔法使いらしい茶色のローブは本人の嗜好ゆえかその肩があらわになるまでずり下げられている。
「この瞬間、宮司の効果によって特殊召喚された陰者はゲームから除外される。だがこの瞬間、除外された陰者の効果発動!同じく除外された不知火を1体選択し、アタシの場に特殊召喚するぜ。甦りな、妖刀」
妖刀−不知火 攻800
「なるほど、一見すると数は同じ。しかしリンク2が1体、か。当然打開策もあるんだろうが、かといって使わない手もないな。トラップ発動、奈落の落とし穴!」
「ま、通すわけないだろ?速攻魔法、禁じられた聖槍。ヒータの攻撃力を800ダウンさせ、このターン魔法と罠に対する完全耐性を与える。もっとも攻撃力の下がった時点で奈落の適用範囲からは外れたから、そこまで意味はないけどな」
灼熱の火霊使いヒータ 攻1850→1050
「だろうな。だが落とし穴が発動したことに変わりはない、カズーラの効果を発動。デッキから別の蟲惑魔1体を選択して手札に加える、あるいは特殊召喚することができる。この効果でランカの蟲惑魔を手札に加え、カズーラの効果をトリガーにセラの効果を発動。デッキから……そうだな、特に今のタイミングで欲しいものもない。絶縁の落とし穴でもセットしておくか。さて、次は何を出す?」
見えていたとはいえ強力な除去をあっさりと回避されたというにもかかわらず別段驚いた様子もなく、それどころかまたしても別の落とし穴を用意しつつ次の一手を催促す
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