File2−精霊のカード
ターン9 破滅導く魔性の微笑み
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セラにトリオンの蟲惑魔で攻撃」
セラの蟲惑魔 攻800→糸巻(直接攻撃)
糸巻 LP4000→3200
「こんのっ……!」
中和されているとはいえ、確実にその体を苛む鈍い痛み。当時の彼女は当然ながら今よりも「BV」経験も浅く、わずか800のダメージであってもあからさまに怯んでいた。若かったものだと振り返る。
トリオンの蟲惑魔 攻1600→糸巻(直接攻撃)
糸巻 LP3200→1600
「ターンエンド。ずいぶんと、哀れな姿だな。俺はお前に対し特別悪い印象は持っていなかったが、このまま邪魔を続けるとあらば攻撃を容赦する気はない……これは、俺たちデュエリストの世間に対する復讐なんだ。この店も、その資金稼ぎのための一環に過ぎない。お前にも俺たちの気持ちはわかるだろう、なのになぜそちら側にいる?どうしてこちらに来ない?」
「アタシは……」
ああそうか、とそこまで振り返ったところで思い出した。この一戦は、彼女にとって今に繋がるある種の転機。どこぞの馬鹿狐のような憎しみ主体の皮肉ではなく、純粋な疑問として彼女がデュエルポリスとしての道を選んだ理由を正面から問われた初めての戦いだった。確かあの時、自分はこう答えたはずだ。
「……理屈なんざないよ。理由はどうあれ、プロデュエリストの求められる時代はあそこで1回終わったんだ。老兵のくせに大人しく消え去れないアンタらみたいな老害どもに引導叩きこんでやる、それがアタシの今の存在意義さ」
「なんのために?かつての同胞とそうやって敵対して、その先に何を見る?」
「そんなもんアタシに聞くなよなー。それこそ鼓のやつとか、もっと口達者なのだっていっぱいいるだろ?ただまあ、確実にこれだけは言ってやれる。アンタらがそうやって怒り任せにテロリストやってる以上、デュエルモンスターズはいつまでたっても戦争の道具から抜け出せない。小難しい話は他所でやって欲しいもんだが、あえて答えるとすりゃ……未来だよ。アンタらに尻尾振ってついていったところで、娯楽としてのデュエルモンスターズが帰ってくることは絶対になさそうだからな。どうせ犬だってんなら、狂犬病撒き散らす野良犬よりかは御上に尻尾振る飼い犬の方がまだマシさ」
「そうか、わかった。どうあっても、相容れることはできなさそうだな」
「残念な話だな。さ、お喋りはもう終わりさ。エンドフェイズにトラップ発動、バージェストマ・レアンコイリア。このカードはアタシの除外された馬頭鬼を、改めて1度墓地に送り込む」
ここで答えた内容は、あれから何年も経った今でもほぼ変わらない。もっとも今同じことを問われたとして、この時ほど素直な気持ちで答えるだろうか。良くも悪くも、当時の彼女は今よりも擦れていなかった。
「アタシのターン。不知火の|宮司《みやづかさ
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