File2−精霊のカード
ターン9 破滅導く魔性の微笑み
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瓶を発動。デッキからカードを1枚ドローする……が、この瞬間にセラの蟲惑魔、その最初の効果が発動。通常トラップが発動したことにより、デッキから同名モンスターの存在しない蟲惑魔1体を特殊召喚する。トリオンの蟲惑魔を特殊召喚」
トリオンの蟲惑魔 攻1600
沸き立つ砂ぼこりとともに、短髪に頭の上の二本角が特徴的な次なる蟲惑魔が呼び出された。それまでの2体とは違い全体的に茶色のカラーリングのファッションに身を包む少女は、一見すると罠の要素などないようにも思える。
しかしそれは、彼女がほかの蟲惑魔とは罠を張る場所が違うというだけの話でしかない。トリオンの本体は地中に潜む捕食者の昆虫であり、その足元では極力目立たないように隠されてはいるものの常に流砂が渦を巻く。さらにその足元を観察し続けていれば、地中から外を窺う本体の瞳に光が反射して不気味な光が断続的に点滅している様子さえも見ることができるはずだ。
「トリオンが特殊召喚に成功した際、相手フィールドの魔法、または罠1枚を破壊できる。右のカードを選択しよう」
糸巻の伏せた右端のカードの下に突如として流砂が発生し、すり鉢状に崩れ落ちる砂の中に伏せカードがずぶずぶと沈んでいく。
「勘のいいヤローだ、ただ破壊されるよりかはマシか。チェーンして速攻魔法、逢華妖麗譚−不知火語を発動!相手フィールドにモンスターが存在する場合、アタシの手札からアンデット族1体を捨てることでデッキか墓地から捨てたモンスターとは名前が違う不知火1体を特殊召喚するぜ。アタシが選ぶのはデッキの……」
「手札から灰流うららを捨てて効果発動、デッキからモンスターを特殊召喚する効果を含むそのカードは無効となる。言うまでもないが手札コストは返ってこない……いや、むしろそれが狙いの一つ、というわけか。さすがに抜け目がない」
手札コスト付きのカードを無効にしたことでアドバンテージ面で優位に立った男はしかし油断ない動きで素早く墓地に目を通し、呆れ半分称賛半分といった口調で苦笑いする。言うまでもなく、彼女がコストに落としたモンスターを見てのことだ。
「さて、なんのことだかな。おかげでこっちは大損だ」
「白々しいな。前々から思っていたが、そこで否定することに何か意味があるのか?」
「アタシが楽しい」
きっぱりと言い切った当時の彼女に、男は呆れたように首を振り……そして、再び彼女を見据える。
「だろうな。では、そろそろ本題に戻るとしよう。セラの蟲惑魔の更なる効果を発動。自身以外の蟲惑魔、この場合トリオンの効果が発動したことにより、デッキからホールまたは落とし穴トラップを1枚フィールドにセットできる。では……そうだな、2枚目の奈落の落とし穴をセット。バトルフェイズ、
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