File2−精霊のカード
ターン9 破滅導く魔性の微笑み
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、それよりもレベルが低いモンスター1体を効果を無効として特殊召喚してこのカードを装備する。トリオンよ、今一度甦れ」
息をのむ糸巻の前で、レアンコイリアの体が縮んでいく。弱った獲物を前にした蟲惑魔たちの瞳が一斉に妖しく輝き、獲物の気配に誘われた地中の蠱惑魔が再びそのショートカットをひょっこりと覗かせる。
バージェストマ・レアンコイリア 攻1200→600
トリオンの蟲惑魔 攻1600
「バトル。アトラの蟲惑魔でバージェストマ・レアンコイリアに攻撃」
アトラとトリオン、2体の蟲惑魔の攻撃力はそれでもわずかに彼女のライフを削るには足りないが、破壊耐性を盾にサンドバックとするならば話は別だ。まして今現在その2体は、フレシアの効果により強固な耐性を付与されている。今更、何を恐れることがあるだろうか。
大方そう考えていたんだろう、そう彼女は回想する。実際に、その見立ては正しい。バージェストマは対象を取るカードばかりであり、対象耐性を持つ相手は天敵に等しい。これで勝ったと思ったとしても、それは無理のないことだろう、と。
そしてだからこそあの時の彼女は笑い、その瞬間を思い出した現実の彼女もまた会心の笑みを浮かべる。
「残念だったな、この勝負アタシの勝ちだ!ダメージ計算時にトラップ発動、バイバイダメージ!」
「バイバイダメージ、だと!?」
「そうさ、こいつはアタシのモンスターが攻撃されて戦闘を行うダメージ計算時、モンスターを対象を取ることなく効力を発揮するカード!その効果によりレアンコイリアは戦闘で破壊されず……まあ、それは元からだがな!」
アトラの蟲惑魔 攻1800→バージェストマ・レアンコイリア 攻600
糸巻 LP1600→400
突然のカードに何かを察したのか、慌てて身を引き攻撃を止めようとしたアトラ。しかし身軽な疑似餌部分はいざ知らず、本体である大蜘蛛はすでに勢いに乗ってしまっているその体を急に止めきることはできない。先端に鋭い爪の生えた8本の足が躍りかかり、古生代生物の硬い表皮を無残に切り裂いた。
「痛つつ……そしてこの戦闘でアタシの受けるダメージ、その倍の数値の効果ダメージをアンタにも受けてもらう。これで、終いだ!」
「……!」
男 LP1600→0
「……巻さん、糸巻さん!ヤバいっすよこれ、流石に洒落になんないです!」
ようやく糸巻が目を開けた時には、あたりはすでに暗くなっていた。昔の記憶に思いをはせる最中、いつの間にやら居眠りしていたらしい。とりあえずいつも通り口先だけでも謝罪の言葉を述べようとして、すぐにやめた。あの鳥居が普段の態度はどこへやら、血相変えて彼女の体を揺り動かしている。それはつまり、それだけのことが起きたということだ。寝起きで
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