星々は御旗の下に
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
む……分かりました。従いましょう。参考までに貴方が自身に施している治療法を聞かせて貰っても?」
「この戦争の終結と多くの人々を保護する事。これを完遂すれば俺の病気は(ひとまずは)治った事に(ならなくもない事に)なる。(まだ特異点修復の戦いは続く、しかしこの特異点に限れば)何も問題はない。治療は鋭意邁進中で、お前が手を貸してくれれば更に捗るだろう」
副音声ばっちしの「嘘は言ってません、ただ幾つか伏せただけです」話術。詐術の間違いだろうとは誰の弁か。知らぬ存ぜぬなんだそれは聞いた事がない。
ナイチンゲールは彼女の理念通りに勝手に解釈するだけだ。故に、
「なるほど、全く問題ありませんね。この病気の病原菌を撲滅すればいい。同時に患者を保護する、実に単純明快です。貴方は名医のようで安心しました」
「あっははー……戦争が病気でケルトが病原菌か。うんうん、実に狂戦士……」
別に間違ってはいない。遠い目をして乾いた笑みを溢した。手を離してもらえて安堵するシロウである。
シロウは彼女に、『二大触るな危険』に並ぶ危機を本能的に感じていた。キアラのアレと、スカサハのアレ、ナイチンゲールのソレ。新たにナイチンゲール女史が『三大触るな危険』候補としてリストアップされた瞬間である。ほぼリスト入りを確実視される有力な存在だ。実にバッド。実にラッキー。この手の人物はかなり有能なのだと二人の前例が証明していた。
肝なのは三人ともがジャンル違いの危険さで、加えて三人とも女性である事。天敵である。が、与し易くはあった。魔性菩薩以外。喋りの出先を潰してくる某宝石乞食女と菩薩様だけが真正の天敵だ。
「フローレンス、お前はマザーベースに詰めて貰う。いざという時の予備戦力だ。その時以外は傷病者の治療に当たってもらうが……その際に絶対にやってもらわないといけない事がある」
「承知しています、ドクター。病室は常に換気し、清潔に保ち、消毒、滅菌、殺菌を欠かさず、緊急治療を迅速に行えるよう――」
「違うな。間違っているぞフローレンス!」
「? ……どこが違うのです、ドクター」
首を傾げるナイチンゲールの後ろで兵士達が面白そうに見ている。シロウの後ろではジョナサンが「早く戻ってきてくれ!」と切実に求めている。
構わずに続けた。鋼鉄製なのはナイチンゲールだけではない、シロウもまた鋼鉄だった。硬度勝負なら負けはしない、なら後は押しの強さと勢いだけがものを言う。
「そんなものは基本中の基本、既にその体制と環境は整えてある。故にまずフローレンスがすべきは――美味しい御飯の炊き出しに決ってんだろうが!!」
「? ……? ……。……え?」
「美味しく栄養満点の『病院食』! 『病は気から』だというだろう!? 『食事
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ