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レーヴァティン
第百三話 夜襲破りその五
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 王都に向けられている柵と堀の方に来た、そのうえで攻め寄せて来る敵の軍勢を闇に慣れた目で見つつだった。
 そうしてだ、兵達に命じた。
「最初から派手に行くぜ」
「どうされますか」
「最初の一撃は」
「何を仕掛けられますか」
「光の術をな」
 この属性の術をというのだ。
「敵に思いきり浴びせてやれ」
「光ですか」
「光の術ですか」
「最初は」
「ああ、敵は闇の中に紛れて来るんだ」
 それならというのだ。
「ここはな」
「光ですか」
「それをぶつけてやってですか」
「敵の姿を観るんですね」
「それでこっちが気付いていることもですね」
「敵に教えてやるんだ、それでな」
 敵に奇襲が失敗した、そのことを相手にはっきりと知らしめてというのだ。
「次は鉄砲、そして弓矢もな」
「放ちますか」
「そうしますね」
「同時に大砲も撃つんだよ」
 これも使えというのだ。
「王都の城壁じゃなくて敵に撃つんだよ」
「そちらにですか」
「王都の方ではなく」
「敵の軍勢にですか」
「ああ、普通は攻める時に使うがな」
 攻城戦でも会戦でもだ、これまでは大砲は攻める時に使っていたが迎撃戦でもだというのだ。今回の様な。
「いいな」
「今回は、ですか」
「そう使いますか」
「砲撃の威力と音でもな」
 その両方でもというのだ。
「敵を驚かせるんだよ、それで銃撃と射撃を続けてな」
 鉄砲と弓矢のそれをというのだ。
「それでも近付いてきたらな」
「パイクですね」
「柵からそれを出してですね」
「敵を近付けないのですね」
「そうさ、それで近付けない敵をな」
 その彼等をというのだ。
「鉄砲と弓矢でな」
「攻撃し続ける」
「そうしてですね」
「勝ちますね」
「ああ、そうするんだよ」
 まさにと言ってだ、そうしてだった。
 久志は王都を囲んでいる方の柵と堀のところに行ってだ、魔道部隊の中で光の術を使える者達に光属性の術を放たたせた。
 光の術を浴びた今から奇襲を仕掛けんとしていた敵軍は攻撃を受けただけでなくその姿も闇夜の中に見せた、その彼等の姿が闇夜の中の光に眩く出たのを見て。
 久志はさらにだ、軍勢に命じた。
「砲撃、銃撃、射撃同時にやれ!」
「了解!」
「わかりました!」
 将兵達も応えてだ、久志の命令通りにだった。
 大砲を放ち銃を撃ち矢を射た、するとだった。
 敵軍の兵達が多く倒れ闇夜の中に断末魔の声が鳴り響いた、久志は大砲と銃の装填の間は弓矢に攻撃をさせ続け。
 パイク兵を前に出させた、すると攻撃にも負けず果敢に攻めようとしている敵兵達がそのパイクでだった。
 進撃を阻まれた、久志はその状況を見てさらに告げた。
「術も放つんだ」
「このままですね」
「さらに攻める」

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