第百三話 夜襲破りその三
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「備えはしてるしな」
「それではよね」
「今日は夜までな」
「普通にね」
「過ごそうな、ただな」
「夜になったら」
「夜襲は暗いからする、なら俺達もその暗さに紛れてな」
そのうえでとだ、久志は清音に笑って話した。
「夜襲に備えておくか」
「そう、そして攻めてきたら」
「返り討ちにしてやろうな」
「そうして散々に打ち破って」
敵の夜襲、即ち奇襲をというのだ。
「勝つわよ」
「そういうことだな」
「ここで勝敗を決めるつもりでね」
王国とのそれをと言ってだ、こうしてだった。
「やってやりましょう」
「そうだな、じゃあ飯も食うか」
「そう、何といってもね」
「飯を食わないとな」
「戦も出来ないでしょ」
「じゃあ食っておくか」
「それも美味しくて」
かつとだ、清音は久志と進太に笑って話した。
「栄養のあるものをね」
「腹一杯な」
「そうしような」
「それで今日の夕食は」
進太は肝心の内容の話をした。
「何でござろうか」
「パンとね」
何といってもこれは欠かせなかった、この島での主食は何といっても麦を練って焼いたこの食べものなのだ。
「鶏のマレンゴ風よ」
「それでござるか」
「それとね」
「それと?」
「トマトを沢山使ったサラダよ」
これもあるというのだ。
「そしてデザートはね」
「そちらは何でござるか」
「苺や林檎やネーブルの盛り合わせよ」
「フルーツでござるな」
「そうしたものだから」
それだというのだ。
「それを食べて」
「そのうえで」
「身体を暖めて」
「英気も養ってでござるな」
「夜に備えましょう」
「わかったでござる」
「さて、あと全員休憩の時は」
その時の話もだ、清音は話した。
「テントの中で交代でね」
「仮眠だな」
「夜での戦になるならね」
「今のうちに寝ておいてな」
「そうして満足に戦える様にしておくのよ」
久志にまた話したのだった。
「今のうちに寝てね」
「そういうことだな、じゃあ徹底的に返り討ちにしてやるか」
久志は笑って話してだ、そのうえでだった。
彼等は寝て食べてだった、そうして夜襲を待っていた。遂に夜になったが久志達は全軍にその中で迎撃の備えもさせていた。
そうして真夜中、月が夜空の頂上で優しい光を放っている時に。
闇の中から音がした、それも王都の方からも外からもだ。それで久志のテントに一人の兵士が飛び込んできて報告してきた。
「護民官、敵襲です」
「ああ、来たか」
「はい、今しがた」
「遂にって感じだな」
見れば久志は服を脱いでいない、鎧を着けたままだった。見ればブーツもそのままであり横になっているだけだった。
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