フェンリルとガルム
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エレナの召喚獣であるフェンリル
ヨナルデ率いる黒装束のガルム
実はこの二人は兄弟であった。
それは数十年前
きゃんきゃんっ♪
魔法世界にて黒い子犬と白い子犬が生まれた。
この二匹が後のガルムとフェンリルである。
二匹の兄弟仲はよく、互いにガル兄、リル坊と呼びあうくらいであった。
この時は特に問題もなかったのだが
それから数年が経過し、大人になった二匹はそれぞれ魔法使いと契約することになった。
ガルム「フェンリル、互いに魔法使いの元で頑張ろうぜ 」
フェンリル「そっちもなガルム! 」
そしてフェンリルはエレナの元へ、ガルムも名の知れた魔法使いの元へ向かったのだが
それから約半年が経過したある時のこと
魔法使い「何をしているんだガルム! 」
ドカァッ!!
ガルム「ぎゃいんっ!! 」
魔法使い「あの時、テメェがもっと早く動いとけりゃ俺は怪我をしなくてすんだってのによ!! 」
その怪我もほんの数ミリの切り傷である。
魔法使い「お前にも傷をつけてやるぜ!! 」
ザシュッ!!
ガルム「ぎゃいんっ!! 」
そして魔法使いはガルムの左目に傷をつけた。
実を言うと、この魔法使いは性格が最悪であり
周囲の目がある場所では
魔法使い「ガルム、よくやったな! 」
召喚獣を褒めるいい人を演じているが周囲の目がない時だとガルムに虐待をしていた。
そして自分が傷つけたガルムの目に関しても
魔法使い「あるモンスターとの戦いで負傷したんだよ 」
と、嘘を言いまくっていた。
ガルム「(こ…この野郎!!) 」
こんな奴、ガルムなら即座に殺すことは可能であるが
召喚獣は主人を傷つけてはならない!!
という決まりがガルムを苦しめていた。
ガルム「(何故俺達召喚獣がこんな苦労をせねばならないんだ!!) 」
それでもガルムは恐らく弟であるフェンリルも同等の辛さを味わっていると思い、魔法使いの虐待にも耐えてきた。
そんなある日
きゃんきゃんっ♪
ガルムは体から炎を出す犬のモンスター・ヘルハウンドの赤ちゃんと遭遇した。
どうやら迷子らしい
ガルム「こいつら、親は何処にいるかは知らんが俺が立派に育ててやるぜ 」
この日よりガルムは魔法使いに隠れてヘルハウンドの赤ちゃんを育てた。
もしガルムの魔法使いに見つかればガルム同様虐待を受けるに違いないと思ったからである。
そしてその考えは的中した。
ガルム「チビは元気かな? 」
ヘルハウンドを育ててから一週間、ガルムがチビと名付けた赤ちゃんの様子を見に向かうと…
魔法使い「ハーハッハッ!!逃げろ逃げろ!逃げなきゃ死ぬぞ! 」
きゃいんっ!?
チビが魔法使いに虐待されていた。
ガルム「やめ…!? 」
チビを救おうと向かうガルムであったが
ザシュッ!!
ガルム「!? 」
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