四十七匹目
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がシラヌイ様の身長では……」
「大丈夫」
踏み台を出す。
空の木箱だ。
そこに乗る。
「油」
「えーと……」
「その瓶のままでいいよ」
エリザが持ってるのはビール瓶くらいの物だ。
中身は油。
それを受け取って鍋の底一面に垂らす。
「こんな物かな…」
エリザに油の瓶を返す。
で、アイテムボックスから種の瓶を出して、中身をザラザラと鍋の中へ。
「シラヌイ様。それは家畜の餌では…?」
「普通そう思うよねー。これ考えたメキシコ人頭どうかしてるよ」
まぁトウモロコシが家畜の飼料なのは主にヨーロッパだったけどね。
「めき…?」
鍋の底一面にばらまく。
油の量もちょうどいい。
蓋をして、魔力コンロを着火する。
「あとは待つだけだよー」
「えーと……シラヌイ様?」
「なに?」
「魔法の実験ですか?」
「いや、お菓子だよ。ポップコーンっていうの」
「ポップコーン……ですか?」
「皮の分厚いトウモロコシを熱したら爆発するんだけど、それを使ったお菓子」
「はぁ…、お菓子……ですか」
エリザはまったく信じてないな。
「ふっふっふ……ジャンクフードの定番だよー。売り出せばバカ売れ間違いなしさ。材料費も安いしね」
この世界にポップコーンがないのは調査済みだ。
と、話している合間に鍋から音がし始めた。
「お、鳴ってる鳴ってる。成功だね」
ポンポン音がしなくなった所で蓋を開けると、白い見慣れた物。
「どうだいこの食欲をそそる香ばしい匂い!」
エリザが持ってきたボウルにお玉で掬ってうつす。
結構な量だ。ボウル約二杯分。
「これに塩をかければ完成だよ」
メイドに塩を持ってこさせ、ポップコーンに振る。
「ん」
お婆様とエリザに差し出す。
二人がサクサクとポップコーンを食べる。
「ふむ。面白い食感じゃのう。この香りもクセになる」
「かける物で味を変えられそうですね」
「鋭いねエリザ。ポップコーンは元の味がほとんど無いからいくらでも味をつけられるんだ。
甘い、辛い、しょっぱい、なんでもね」
「しかし喉が渇きそうな食べ物じゃな」
「果実水とかビールとか合うよ」
アイテムボックスから果実水の濃縮液を出す。
「そこの! これ人数分五倍に薄めて!」
メイドを呼びつけて果実水の瓶を渡す。
「いいのですか?」
「君らも気になるでしょ?」
そのメイドは八個のコップに果実水を入れて、水魔法で薄めて持ってきた。
「えっと…」
「食べていーよ。っていうか食べろ」
遠慮してる風だったメイド
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