四十六匹目
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「「「「……………まずい」」」」
丸テーブルに座る僕達四人の声が揃った。
学食の料理は不味かった。
無料だしこんな物かな…。
「明日からは弁当だね…。僕が持ってくるよ」
シュリッセルのシェフが一番料理が上手い。
「いいの?」
「うん。問題ないよ」
少しこの世界の食事情を説明しよう。
フライハイトの食事は、中世料理にほんの少し和食のエッセンスを加えたような物だ。
例えば白米だったり、旨味の概念だったり。
あと食器として箸も存在している。
お婆様が色々やったんだろうな、と考察している。
で、今目の前にあるのは魚のスープとパンだ。
スープは出汁取れてないし、野菜の火の通りはまちまちだし、魚の臭みが残ってるし。
パンは硬いし…。
ここ貴族の学校ならもうちょい食事に力いれようよ…。
「取り敢えず食べちゃおう」
硬いパンを塩辛いスープでふやかしながら食べる。
「シラヌイ、これ美味しくする物持ってない?」
「えぇー……なにその無茶振り…」
「貴方ならなんとかしそうだもの」
メリーちゃんとシャクティも頷いていた。
ふーむ…このスープを美味しくする何か、ねぇ…?
「今度探しとくよ」
ハーブで臭みを消すとかね。
こんど旨味調味料でも錬成してみようかな。
「ぬいちゃん、デザートない?」
食べ終わるとメリーちゃんに口直しの食べ物を求められた。
僕は青い狸じゃないぞ。
「ない。あ、いや……」
果実水があったはず……。
「果実水ならあるけど。アイスにでもする?」
アイテムボックスに手を突っ込んで果実水の一升瓶を引っ張り出す。
濃縮してある。
水で5倍に薄めてちょうどいいくらいだ。
つーかもはやシロップだ。
「くーちゃんとシャクティも食べるでしょ?」
「「食べる」」
アイテムボックスから木材を出して平たく長い棒を四本作る。
で、鉄を出して錬金術で細長いコップ状にしてシロップを注ぐ。
棒をぶっ指して氷魔法で凍らせて、はい完成。
「はい、取り敢えずくーちゃんから」
「メリーからでいいわよ。最初に言ったのはメリーだもの」
「ん…ありがと」
メリーちゃんがアイスを抜く。
次にくーちゃん、シャクティに渡す。
自分のを作ってから、鉄のコップと一升瓶をアイテムボックスに放り込む。
「私も果実水持ち歩こうかしら」
「いいんじゃない? アイテムボックスって質量じゃなくて体積だし。
くーちゃんのアイテムボックスなら体積辺りの重量が大きい液体とか金属でも問題なく入るでしょ」
某VRMMORPG小説では逆で重量で決
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