暁 〜小説投稿サイト〜
人徳?いいえモフ徳です。
四十四匹目
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
るわ」

「うきゅっ!?」

「それもそうか」

そうしていよいよクーコ一味の番が回ってくる。

というかドルスの采配で最後だ。

「とりあえず…一番しょぼいわたしから」

メリーが所定の位置に着く。

「………ぬいちゃん。なにすればいい?」

「クアッドエレメンツバーストは?」

「それでいいや……」

メリーが岩を正面に捉える。

右手を上にかかげ、指を鳴らす。

右、左、下と計四回鳴らした。

一回鳴らす度、魔方陣が現れる。

「ばーすと」

胸の前で五度目を鳴らした。

炎が、雹が、石礫が、風刃が、岩を襲う。

四属性魔法。

それも水ではなく氷。

明らかに上級魔法だ。

だが威力はさほどでもなく、岩に傷はつかなかった。

「ぶい」

無表情でピースサインをするメリー。

「では次は私だな」

シャクティが揚々として位置につく。

「シャクティ・アーグロ、参る」

スッと居合いの構えを取る。

カタナに魔力を流す。

「魔剣技、風刃抜刀!」

振り抜かれた無色透明のディアマンタイトのカタナ。

斬撃の延長線上の地面が裂けた。

その不可視の一撃は岩に深い傷をつけた。

「さて、身分的には次は狐君だが、さきに姫様がやった方がいいな」

「そうね、標的を壊されたら堪らないもの」

「それは僕も言いたいんだけど?」

クーコが嬉々として位置に着く。

「さて、私の実力を見せる時ね!」

クーコがチラリとマーガレットを見る。

「集え水よ我が手の中に! 形を表し敵を撃ち抜け!」

クーコの手に集められた水が凍りつき、シラヌイが教えた銃弾の形を取った。

その銃弾が高速で打ち出された後。

「第二の刃が放たれる」

クーコがドヤ顔でパチンと指を鳴らすと同時。

目も眩むような閃光と轟音が響いた。

「ら………雷撃魔法……?」

ドルスが腰を抜かし、へたり込んでいた。

「やったわシラヌイ! 岩が真っ二つよ!」

「僕このあとどうすんのさ」

やれやれ、と言いながらシラヌイが位置に立った。

「出でよ! 土塊より生まれし煌めきの巨人よ! クリエイト・ジャイアント!」

シラヌイが右手を地面に叩きつける。

次の瞬間。

地面から巨人が現れた。

太陽光をキラキラ反射し透過する身の丈五メートルのガラスの巨人。

その姿や関節は、シラヌイが前世で作っていた美少女プラモデルを参考にした物で、フローティアのゴーレムとは全く別のものだった。

「鉄槌を下せ!」

女性型の巨人が、岩に拳を叩きつけた。

ガッシャァンッッッ!!!という大音量。


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ