四十四匹目
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るわ」
「うきゅっ!?」
「それもそうか」
そうしていよいよクーコ一味の番が回ってくる。
というかドルスの采配で最後だ。
「とりあえず…一番しょぼいわたしから」
メリーが所定の位置に着く。
「………ぬいちゃん。なにすればいい?」
「クアッドエレメンツバーストは?」
「それでいいや……」
メリーが岩を正面に捉える。
右手を上にかかげ、指を鳴らす。
右、左、下と計四回鳴らした。
一回鳴らす度、魔方陣が現れる。
「ばーすと」
胸の前で五度目を鳴らした。
炎が、雹が、石礫が、風刃が、岩を襲う。
四属性魔法。
それも水ではなく氷。
明らかに上級魔法だ。
だが威力はさほどでもなく、岩に傷はつかなかった。
「ぶい」
無表情でピースサインをするメリー。
「では次は私だな」
シャクティが揚々として位置につく。
「シャクティ・アーグロ、参る」
スッと居合いの構えを取る。
カタナに魔力を流す。
「魔剣技、風刃抜刀!」
振り抜かれた無色透明のディアマンタイトのカタナ。
斬撃の延長線上の地面が裂けた。
その不可視の一撃は岩に深い傷をつけた。
「さて、身分的には次は狐君だが、さきに姫様がやった方がいいな」
「そうね、標的を壊されたら堪らないもの」
「それは僕も言いたいんだけど?」
クーコが嬉々として位置に着く。
「さて、私の実力を見せる時ね!」
クーコがチラリとマーガレットを見る。
「集え水よ我が手の中に! 形を表し敵を撃ち抜け!」
クーコの手に集められた水が凍りつき、シラヌイが教えた銃弾の形を取った。
その銃弾が高速で打ち出された後。
「第二の刃が放たれる」
クーコがドヤ顔でパチンと指を鳴らすと同時。
目も眩むような閃光と轟音が響いた。
「ら………雷撃魔法……?」
ドルスが腰を抜かし、へたり込んでいた。
「やったわシラヌイ! 岩が真っ二つよ!」
「僕このあとどうすんのさ」
やれやれ、と言いながらシラヌイが位置に立った。
「出でよ! 土塊より生まれし煌めきの巨人よ! クリエイト・ジャイアント!」
シラヌイが右手を地面に叩きつける。
次の瞬間。
地面から巨人が現れた。
太陽光をキラキラ反射し透過する身の丈五メートルのガラスの巨人。
その姿や関節は、シラヌイが前世で作っていた美少女プラモデルを参考にした物で、フローティアのゴーレムとは全く別のものだった。
「鉄槌を下せ!」
女性型の巨人が、岩に拳を叩きつけた。
ガッシャァンッッッ!!!という大音量。
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