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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
プロローグ
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ンフィル帝国政府内の発言権を持たない”メンフィル皇族専属侍女長如き”の私ではどうする事もできませんし、それに…………―――(エリス)の拉致監禁や兄様への脅迫、父様が北の猟兵達によって重傷を負わされた事、2度に渡るユミル襲撃、挙句の果てにはそれらの件に対して何の謝罪や賠償もしなかった”貴族連合軍を含めたエレボニア帝国”に対して私が”怒り”を抱いていないと思っていたのですか?」
「………………っ!」
「エリゼさん…………」
しかし全身に静かなる闘気を纏わせて答えたエリゼの意志を知り、エリゼのエレボニアに対する”怒り”が故郷の為に猟兵稼業を続けている”北の猟兵”もその原因である事にサラは辛そうな表情で唇をかみしめ、自分達にとってクラスメイトであり、大切な仲間でもあるリィンの妹であるエリゼが自分達の祖国であるエレボニアに対して怒りを抱いている事にアリサは悲しそうな表情を浮かべてエリゼを見つめた。

「―――ヴァンダイク学院長達への説明の為の時間を取って頂きありがとうございました、エルサリス様。―――それでは始めて下さい。」
「了解。―――転移陣の準備を。」
「ハッ!」
闘気や太刀を収めて気を取り直したエリゼに視線を向けられたシェラは頷いた後メンフィル兵達に指示をし、指示をされたメンフィル兵達はヴァリマールの周囲で作業を始め
「―――自己紹介が遅れましたが、私はリィンの義妹にして婚約者の一人でもあるエリゼ・シュバルツァーと申します。急な事で申し訳ございませんがヴァリマールさんはしばらくの間、メンフィルが用意する保管場所にて待機して頂きます。」
メンフィル兵達が作業している間エリゼはヴァリマールの正面に近づいてヴァリマールに挨拶と説明をした。
「エリゼノ事は、リィンやセレーネカラモ聞イテイル。ドウヤラリィンハ準起動者達ト決別セネバナラヌ状況ノヨウダガ、アリエナイトハ思ウガ、メンフィルトヤラハ、我ニリィン以外ノ起動者ヲ用意スルツモリナノカ?」
「ヴァリマールさんを兄様以外の方が操縦するような事は絶対にない事はシルヴァン陛下やリウイ陛下も確約なさってくださっていますので、この場でお約束できます。そして兄様が再びヴァリマールさんを駆り、その刃を向ける相手は…………兄様次第でしょう。」
「…………ソウカ。」
エリゼの答えを知ったヴァリマールは何も反論する事なく目を光らせて淡々とした様子で答えた。そしてエリゼはヴァンダイク学院長とアルフィン皇女に近づいてヴァンダイク学院長には二通の封筒を、アルフィン皇女には一通の封筒を手渡した。

「この封筒は一体…………?」
「エリスのアストライア女学院の退学届けです。ちなみにヴァンダイク学院長に渡した二通の封筒は兄様とセレーネのトールズ士官学院の退学届けです。」
「!!」
「そ、そんな!?」
「…
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