業火の中に
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層男らしさのついた表情で背筋を伸ばした。
「期限は一年。長期に亘る任務だ。二人一組でこなす事になる。任務内容は大きく分けて三つ。
一つ、難民の保護。見つけ次第、このマザーベースへ導け。道中に何事もないと判断できた場合のみ、お前達が誘導する必要はない。その団体にマザーベースの場所を伝えて移動させるといい。ああ、ここで定義する『難民』とは、寄る辺のない軍集団も同様だ。
二つ、サーヴァント・タイプの味方の捜索。しかし見た目には分かりにくいものだ、敵サーヴァントである可能性もある。接触するかしないか、敵か味方かの判別はお前達に任せよう。注意点を言うとすればサーヴァントは必ずしも味方になるとは限らない事だ。私欲を優先する類いも中にはいる。故に捜索を任務に含めはするが、絶対に接触しろとは言わない。ただし、お前達の背嚢に人相書きを入れてあるが、赤毛の王を名乗る――シータの持つ刃と同じものを持つサーヴァントだけは積極的に探し、接触しろ。その際にシータの無事も報せてやれ。名はラーマだ。
三つ、現地勢力及び敵勢力の拠点の捜索。後者については大雑把でいい。推測のみでもいい。なんらかの判断材料を掴めたのならそれだけでよしとしろ。不要な危険を侵すな。前者に関しては言うまでもないな? 拠点を把握したのなら速やかに帰還しろ。
最後に付け加えよう。任務期間は一年と定めたが、もし必要に迫られたのなら期間を独断で延長してもいい。ただしその場合、相棒は必ず帰還させ任務延長の旨をマザーベースに報告しろ。これがないまま一年間帰還しなかった場合、俺は該当者が死亡したものと判断する。何か質問は?」
兵士の一人が手を上げた。顎先で促すと、声を張り上げてハキハキとした語調で質問してきた。
「BOSS! 我々は寂しがり屋であります。二人一組と言わず、分隊規模で行動しても宜しいでしょうか」
「許可する。しかし最小単位は先にも言った通りだ。大人数で移動するのはいいが、仲良しこよしが過ぎて作戦効率が落ちるようだとお前達のママから雷が落ちるぞ」
「はっ! 了解しました! 私も教官殿から物理的な雷を受けるのは勘弁願いたいので、可能な限り支障のないように弁えます!」
ドッと笑いが起こった。男も笑っている。スカサハはムッとしていたが、それもすぐに苦笑に変わった。
やれやれと肩を竦めるスカサハをよそに、別の兵士が発言の許可を求める。そちらを男が促すと、この隊の中で最も優秀な兵士……マクドネルがユーモアを滲ませて質問した。
「BOSS、僭越ながら作戦名などは? あるのとないのとでは、任務に従事する我々のモチベーションに影響があるんじゃないかと愚考する次第」
「作戦名?」
「もしや、ないんですか?」
「有るに決まっているだろう」
平然と男はハッタ
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