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レーヴァティン
第百二話 王国への包囲網その八

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「だからな」
「ここは守って、でござるな」
「ああ、それでな」
 そのうえでというのだ。
「若し夜襲が来てもな」
「跳ね返すことでござるな」
「その備えをしていような」
「じゃあね」
 残っている清音が言ってきた、彼女と進太以外の面子が各都市の攻略にそれぞれ兵を率いて向かっているのだ。
「ここは夜の見張りを増やして」
「そしてか」
「お城の方に柵と堀を築いて」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「夜襲が来てもな」
「防ぐ様にしようね」
「そうだな、今の俺達はな」 
 囲んだままだ、それでだ。
「城の方に堀や柵はないからな」
「だからね」
「長い包囲になるしな」
「だったら今はね」
 これからも暫くは攻めない、このこともあってというのだ。
「敵からの攻撃に備えるべきよ」
「そうだよな、じゃあな」
「堀と柵をね」 
 この二つをというのだ。
「築いていようね」
「そうするか」
「あと攻められないのもね」
 敵の方にというのだ、王都の中にいる。
「敵に見せるのよ」
「つまり現状を打破出来ないことをか」
「そのままジリ貧になるって思わせることよ」
「心理戦か、それを仕掛けるってな」
「ヴェネツィアの時と一緒ね」
「そうだな、けれどな」
「正しいでしょ」
「ああ」
 その通りだとだ、久志は清音に頷いて答えた。
「じゃあな」
「ここはそうして囲み続けて」
「それにだよな」
「後ろはね」
「拙者の騎兵隊が偵察をしてでござるな」
「そう、騎兵隊で補給路も巡回して」
 機動力のある彼等がいうのだ。
「奇襲とかゲリラ戦を警戒していくのよ」
「それが拙者の今回の仕事でござるな」
「そうなるわ、それじゃあ」
「これからでござるな」
「暫くは吉報を待ちましょう」
 久志が言うそれをというのだ。
「是非ね」
「で、その吉報をだよな」
「相手に聞こえる様に言って」
 そしてというのだ。
「噂にも流させるのよ」
「それがいいよな」
「そう、これも心理戦よ」
「俺達にとって吉報はな」
 そうなるものはというと。
「まさにね」
「凶報だよな」
「それを一つ一つね」
「王都の連中に知らせるか」
「そうしていけば士気も落ちるわ」
「閉じ込められた中でな」
「そうなっていくから」
 それでというのだ。
「今はね」
「そうしていくか」
「そう、心理戦よ」
 あくまでと言う清音だった。
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