暁 〜小説投稿サイト〜
魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第41話 自由?
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
このまま武器も何も無しでマフィアに突っ込んでもいいのだが、流石にそれは危険だ。それに、マフィアビルに行くには、若干だが街中を歩かなければならない。そうすると、変装する必要がある。

さぁて、どうしようか。

「そもそも、ここはどこだ……?」
「僕にも分からない。少し歩くしかないだろう」
「あー……じゃあ俺はここで待ってる」
「嗚呼。行ってくる」

行ってしまった……いや、行かせてしまった……。
畜生、暇だ。

「はぁ……脱走してからの計画考えんの忘れてた……」
「へー、脱走して来たんだ!」
「はぁっ?? え、あ、は、えっ??」

いきなり話し掛けられたと思って、咄嗟に周りを見回したが、人影は一つも無い。それはそうだ。こんな夜中に森の中に居る奴なんて、そうそう居ない。
だが、確かに俺は声を聞いた。幻聴では無い。……となると、上か?

「え、あ、え……?? 誰ッ??」
「面白い反応だね。僕は白雪真冬だよ。覚えてない? “蒼い炎を遣う看守”」

声の主は、木の枝に腰を掛けていた。良く見えないが、黒を基調とした服装に、対照的な白い髪。確か新年大会で見た気が……

「ああ! 要に負けた人??」
「そそ。真逆、“琴葉ちゃん”の魔法をコピーするなんて、思っても居なかったよ」

なんだこの人は。仕事はどうした、仕事は。
はっ、真逆?? 四舎のブラック企業さに逃げてきたのか! だとしても働けよ。

「“琴葉ちゃん”……? 琴葉はアンタの先輩じゃないのか? 主任看守だし」
「いやいや、僕と琴葉ちゃんは同じ立場だよ。マフィア幹部って言うね」

うん、知ってる。確か、黒華琴葉溺愛者の一人。
研究所にもよく顔を出していたから(琴葉と)覚えている(琴葉のついでに)。

「知ってる。“蒼炎遣いの白雪真冬”ってのは、一人の魔法師としても有名だからな。あと、グレースも幹部をやってるんだよな。で、双子メイドは琴葉の補佐。合ってるか?」
「正解。他にも幹部は居るけど、君が会った事があるのはそのくらいだよね。良く思い出したね」
「偶然だ。お前はどうするのか? 俺を殺すのか?」

シンが居なくて良かった。一緒に殺されるとなったら、絶対彼奴は自分を犠牲にして俺を逃す。

俺は馬鹿だから、彼奴等が居なければ正しい事が分からない。
なのに、俺の周りから彼奴等は去っていく。

全て、“親友”の為に。

「うーん、殺しはしないけど、捕まえる予定だよ。お友達さんと一緒にね」
「へぇ。やれるもんならやってみろよ。俺は弱いかもしれないけど、シンは強い。俺がお前の前に居るのは、全部彼奴のお陰だ。こうやって……上手い具合にマフィアビルに
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ