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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第41話 自由?
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侵入出来そうな流れもな」

刹那、白雪を水の膜が覆う。水が銀色に輝いた後、白い鎖が現れ、水の膜を縛る。

「……マフィア幹部か。危なかったな」

水の膜を生成した後、鎖で縛って破壊不能のモノにする。そうすれば、例えマフィア幹部だとしても、水の膜は破れなくなる。
全部、シンの咄嗟の判断に因る、今の最適解の魔法だ。

とどめとして、水の膜を水で一杯に満たせば、忽ち息が持たなくなって、白雪は?きながら溺死する。

「……恐ろしい手を使うな」
「そうでもないさ。この程度、序の口だよ」

怖っ。これからは逆らわないようにしないと。

「あと、レン。朗報だよ」
「え、なになに」
「実はここ、少し歩けばマフィアビルに行けるらしい。それも、マフィアの縄張りまで、一歩も森の外に出る必要も無さそうだ」

よっし、服買わなくて済む。いや、お金無いから、服盗まなくて済む!
それに、このまま夜潜入すれば、明日の夜まで待つ手間が省ける。

「早速行こう。マフィアの増援とか、看守が来る前に、さっさとここから逃げないとだし」
「それもそうだな。よし、急ごう」

永遠に広がっている様にも見えなくもない緑を掻き分けながら、俺達は森の中を走る。


???あれ……?


だが、走り始めて少し経った時、自分の中に疑問符が浮かび、俺は足を止めた。


なんで俺達は外に出たのに、少しも嬉しくないのだろう。

なんで俺達は脱獄しようとしていたのだろう。

なんで刑務所から出たのに、“自由”が無いのだろう。


俺達が脱獄する意味ってなんだ……?


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