第百三十五話
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第百三十五話 夜の間は
雪路は眠りに入った、カーミラはベッドで眠っている彼女を見つつソファーでルームサービスで取り寄せた赤ワインをチーズやクラッカーと共に楽しんでいた。その彼女に対してこれまで姿を隠していた使い魔達がだった。
姿を現してだ、そのうえで彼女に尋ねた。
「あの、ご主人」
「少しいいでしょうか」
「こちらの方ですか」
「非常にお奇麗な方ですが」
それでというのだ。
「何もされないのですか」
「楽しまれませんか」
「そして血も」
「ええ、失恋している娘からはね」
カーミラは飲みつつだ、彼等に答えた。
「私は飲まないのよ、知っているわね」
「そうでしたね」
「ご主人は相思相愛の方からでしたね」
「いつも血を飲まれていますね」
「そうでしたね」
「ええ、だからね」
それでというのだ。
「彼女からは飲まないわ」
「それで、ですね」
「今はワインですか」
「そちらを楽しまれていますか」
「そうよ」
その通りだというのだ。
「こうしてね」
「では、ですね」
「この方が心を癒される」
「その助けを続けられますか」
「そうするわ。美女や美少女は好きよ」
カーミラとしてはというのだ。
「けれどね」
「失恋されている方は」
「どうしてもですね」
「お好きではない」
「そうでしたね」
「だからね」
カーミラはワインの味を楽しみつつ自分の使い魔達にさらに話した。
「私はこうして見ているだけよ、そしてね」
「ワインを飲まれる」
「そうされますね」
「今は」
「チーズやクラッカーと共に」
「この夜は」
「ええ、こうしてね」
実際にとだ、こう言ってだった。
カーミラはまたワインを飲んだ、それは一本で終わらず夜の間飲み続け夜が明けるまでに三本飲み干した、そうしつつ雪路の顔を見ていた。
第百三十五話 完
2019・2・25
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