暁 〜小説投稿サイト〜
魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第40話 リセット
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が、仁君は一瞬だけ僕を嘲笑する様な笑みを浮かべた。まるで、僕を小馬鹿にしている様な感じ。

兎に角、ここで色々話していても進展が無いと思った為、僕は仕方なく歩き始めた。


◆ ◆ ◆


「やぁ、おはよう。気分は如何だい?」
「サイアクだよ。なんで僕を呼び出した。なんで僕を殺さなかった」

マフィア首領、黒華湊のへらへらとした笑みを見て、無性に腹が立ってきた。
語尾を荒げながら、僕は問う。だが、黒華が答える訳もなく、勝手に話を進めていく。

「実はね、君にお願いがあるんだ。聞いてくれるかな?」
「聞く訳ないってこと、分かってるよね?」
「そう言うと思ったよ。だけど、三分後には君は僕のお願いを聞く事になる」

意味が分からない。未来予知の様なモノだろうが、僕がマフィア首領のお願い事を聞く? 有り得ない。

だが、そんな考えは直ぐに打ち砕かれる事になる。

「響君。あの子を入れてあげて」
「はい」

僕の後ろに立っていた響君が歩き出して、執務室の扉を開ける。すると、そこには???


傷一つない、まるでいつも通りの琴葉が立っていた。


「失礼します。何の御用でしょうか、首領」

「来たね、琴葉。早速だけど、君は此の人の事を知っているかい?」そう言って、黒華は僕を指差す。知っているに決まっているのに、なんでそんな質問をするのだ。黒華だって知っているだろう。
だが、数秒の沈黙の後、琴葉は小首を傾げながら、答えた。


「いいえ。何処かでお会いしましたっけ」


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