その後の顛末
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鉄脈術『アンティオックの美しき獣』は、この性的暴行の苦痛、抑圧、それでも相手が父故に憎めない苦悩、そしてそれを終わらせた『リーパーズハイ』への羨望と自己嫌悪が形成した術であったと思われる。
和光37年7月に彼女によって重体を負わされた『リーパーズハイ』は奇跡的に意識を回復しており、鉄結管理局の下に司法取引が進んでいる。彼女の罪科もそう遠くない日に消えるだろう。
千宮あざねについて。
戌亥の陰に千宮ありと噂された『補佐のプロ』の一族の一人。彼女はメイドとしての力量を求められたらしく、戌亥家にも見習いとして顔を出し、戌亥八千夜とも懇意だったという。しかし性的行為については周囲の隠蔽もあって当人に告げられるまで知らなかったそうだ。
その頃から彼女は時折ひょうきんな態度を取ったりしながら八千夜を完璧にサポートしていたが、それは近しかったにも関わらず最も辛い時期に何一つ真実に気付けなかったことに対する悔恨があると当人は告げている。
しかし、戌亥八千夜が一方的に鉄脈術を発動させてリーパーズハイに襲い掛かった際には、魔女の宿命である戦闘力のなさと製鉄師の優位性のせいで止めることも叶わなかったようである。現在は国立病院になかば軟禁状態で入院している八千夜の身の回りの世話をしているが、八千夜との関係は更に深まっているとの報告がある。
特組の中で唯一彼女たちだけは、和光37年8月の騒動に関して直接的には無関係である。
古芥子美杏と美音について。
のちの調査で、彼女の戸籍や経歴は全てが偽装されたものであり、不法入国した全くの別人であることが判明した。更にデータ上では美音が製鉄師となっていたが、これも虚偽であり、実際には美杏を名乗っていた側が製鉄師だったようだ。
この件については鉄結管理局内の内通者によるものであることが仄めかされているが、容疑者死亡に終わっており、今後の捜査如何では真相は謎の中に消えるだろう。
彼女たちの行動や目的には謎が多いが、和光37年8月の騒動で「継承者」を名乗るラバルニズム集団が学園に侵入する手引きをしたこと、その前後で数名の人物を殺害していることは判明している。そのため彼女たちも「継承者」の一味であったと推測されているが、当事者が2名とも死亡している現在、その調査は遅々として進まない。
永居悟の証言によると、美杏は「継承者」に従うことで美音を守れるという強迫観念に駆られて凶行を自ら請け負っており、美音は学園での生活や人間関係を自ら崩さなければいけないことに強い抵抗があったように見られたという。
最終的に美杏は美音によって背後から魔鉄銃で銃殺され、美音もそ
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