その後の顛末
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鉄結管理局による氷室家調査の結果。
氷室家の時計は市販の時計にありがちな僅かなずれが一切なく、更に腕時計、置時計、掛け時計など通常の家の10倍近い高精度の時計が大量に置いてあった。
氷室家の魔鉄チップのデータによると暁家は冷蔵庫やレンジなどの調理家電を寸分の狂いなく毎日同じ日に使用を始めて、同じ時間スパンで終えていた。その他にもお風呂を沸かす時間、冷暖房の使用のタイミング、パソコン等の使用、更には電話を掛けるタイミングも常に毎時00分きっかりに行われていた。
食材の購入履歴を見ると購入する品とそこから作られる料理は全て栄養学的に理想的な構成になっており、お菓子、デザート等の娯楽的食物が皆無だった。記念日のみ普段よりきっかり5000円だけ豪華になっていた。
エイジの過去一年間のアルバムは1日1枚写真が加えられており、イベントなどでは3枚、学校イベントは5枚ときっかり決まっており、成長記録というより定期観察のような状態だった。
行動にとにかく無駄な時間、無駄な出費と言えるものが一切なく、病的なまでに完成された生活を送っていたことが伺える。氷室エイジ当人のデータもそうであった。
人間の生活リズムとしては健康的観点から見て理想だが、理想すぎて人間的ではない部分が伺える。
凪原天馬についての調査報告。
10歳の頃から天掛流道場に通い、天掛朧とはその頃からの付き合いである。ただし凪原天馬の剣術才能は可もなく不可もなく、精強揃いで子供の少ない天掛流道場では目をかけられていなかった節があり、これが凪原自身の才能に対する嫉妬を生んだと思われる。
和光35年8月、カセドラル迎撃に向かった『戦巫隊』をそれとは知らず、天掛朧が同行している点を気にして追跡し、カセドラルと全滅寸前の戦巫隊に遭遇。その際に朧が取り落とした皇国の国宝「アマノボレシツルギ」を手にしてカセドラルを撃破した。これは偶然の撃破であるとのことだが、天掛家と凪原天馬のつながりはここで生まれたようである。
なお、アマノボレシツルギの材質は不明であるが、数千年以上劣化が見られないことから魔鉄で出来ていると思われる。伝承では初代天孫が冥質界より持ち込んだ霊金で形作られているとされているが、国宝の調査は禁じられている。
天掛朧について。
彼女は戦巫女として今代の「アマノボレシツルギ」の担い手であり、鉄結管理局と同じく天孫直属の者という事になっている。なお、担い手は魔女、非魔女に限られないが、パートナーを望むことは稀有である。
和光37年8月の騒動で凪原天馬と共に再びアマノボレシツルギを抜刀し、共にカセドラルを撃退した。
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