第27話『非情なる刺客!ヴォジャノーイ再戦!』
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険に値すると判断するに十分だった。
「あの……ここには置いてないです――それに独立交易都市でもゼノブレイドは誰も行方を知りません」
「ふ〜ん?そうなんだ――」
そもそも話の出所はどこなのか?ルークの父バジルがどこかで漏らしたのか?しかし今はそんなことを追求している事態ではない。
どこかわざとらしく、青年はつぶやいたと思いきや――
―――――――ふゅん!!
一瞬、風が横切るかのような
風を切った音の正体は、青年『ヴォジャノーイ』の口から飛ばされた『酸液の唾』だった。
そしてその方向は……先ほどまで赤子を寝かせ付かせていた『母子』の部屋。
(あそこは確か、セシリーさんとコーネリアスのいる部屋!?)
とたんにリサの表情が青ざめる。
「な……何をするんですか!?あなたは!?」
「子供の命より大切なモノなんて、どこの世界にもないと思うけどなぁ〜」
「――――――!?」
いつの間にか、ヴォジャノーイの手の中に赤子コーネリアスがいた。
同時に酸液の唾で溶かされ出来た『壁穴』から、赤髪の女性が足を引きずりながら姿を見せる。
「セシリーさん!だめです!出てきちゃだめです!!」
赤子を取り戻すために現れた『母』を見て、リサは慌てて声をあげる。
当然だ。状況が状況なうえ、出産を終えてまだ一カ月もたっていない。無茶を押し通されると母体に命の危機が及ぶ。
「返せ――――」
血を吐いてでも、言わなければならない。
「コーネリアスを……私の子供を……返せぇぇ!」
だが、切なる母の悲声は虚しく響くばかり。
リサは決断せざるを得なかった。
「いい加減しつこいね。これ以上ボクにすり寄るつもりなら、この子供から消してあげる」
「ま!まってください!」
突然リサが魔物と母親の間に割りこんできた。赤子の死刑宣告を聞かされては黙っているはずがない。
「だめだリサ!下がれ!下がるんだ!」
「下がりません!これ以上セシリーさんに何かあったらルークに、義理母さんに顔向けできません!何より今はコーネリアスの身が危ないんです!だから……神剣を引き渡します!」
ほとんど泣きべそをかきながら、リサはセシリーをかばうように手を広げ、仁王立ちしている。
護神刀。それを魔物に引き渡す。
目の前の危機的状況ならそれは当然であり、そして、やむを得ない選択だった。さらに、引き渡せる選択しがあるだけ幾分かましにも思えた。
だが、魔物ヴォジャノーイには分からない。
赤子と神剣。そんな天秤にかけることもないことを、どうして迷わず赤子と選べるのか。自分ならためらわず神剣を選べるというのに。
神剣が及ぼす影響が何を意味
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