第27話『非情なる刺客!ヴォジャノーイ再戦!』
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出していた時、ちょうどセシリーは子供と一緒に留守を頼まれていた。すれ違い様にセシリーと凱は再開を果たしたのだ。
(でも……コーネリアスが生まれたことを、ガイさんは喜んでくれたって話してくれた)
新たな時代に生まれた新たな命を、かつての勇者は祝福してくれた。
――私たちの、俺たちの世界へようこそ。コーネリアス――
そんな祝辞を述べてくれた凱が、生きていてくれた。今の今まで。
まだ凱を引きづる過去は暗雲晴れていない。しかし、あの瞬間だけは、小さな幸せを享受しよう。
その幸せを糧に日々の雑務をこなすリサは、自ら生み出した珍妙な鼻歌と共に洗濯物を干していた時だった。
忌むべき訪問者の声にも気づかずに。
「迸る漂白!白い!完璧な白さは正義!白いゼ!」
「頼もう〜」
「白すぎるぜ!」
「頼もう〜」
「この白さは正義!」
「頼もう〜」
「こいつの心はジャスティス!」
「頼もう!」
「ひゃあ〜!」
どしん!
驚いて尻もちをついてしまった。
あまりの鈍感さに、『訪問者』は思わず、洗濯物越しにいる少女へ罵声を浴びせてしまった。無理もない。洗濯物一枚に自分の声を遮られたとあれば、つい荒げてしまうのも当然といえる。いい加減気づけよとどつきたくなる。
「えっと……どなたでしょうか?」
リサには見知らぬ顔だった。
とっさについてしまった尻の汚れをはたきながら、リサは困惑した表情で目の前の青年に問う。
「あのさぁ、バジル=エインズワーズの最後の一振り――護神刀ゼノブレイドは置いてあるかな?お嬢ちゃん」
リサの心臓がどきりと跳ね上がる。
自ら名乗りもせず、ただ用件だけを偉そうにはたく顧客は決して工房リーザに少なくない。それどころか、目の前にいる青年はこともあろうに、都市でも最重要秘密であるゼノブレイドの存在を知っている。
設定を記した紙=設定を定めた神を殺せる剣。ゼノブレイド。
ルークの父であるバジルの最後の一振り。
それは、神剣を目指してバジルが追求した初期型の『神に干渉できる剣』として造られたもの。
神と崇めるヴァルバニルの吐き出す呪いの素粒子『霊体』を断ち切る『聖剣』として生まれ、やがて『神剣』へと昇華されるはずだった。
当初、ヴァルバニルという、独立交易都市にとって崇拝対象にして自然災害の抑止力として打たれたもの。だが終戦し平時となった今ではその真価を発揮することなく、『独立交易自由都市』の護神刀として、ブレア火山の火口の神殿へ奉納されている。
素粒子への接触を可能にするほどの切れ味は、戦争の歴史を一変する。故にその存在は一部の人物を除いて秘匿とされていた。
そして、秘匿とされていたはずの神剣を知っている地点で、この人物は十分危
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