第27話『非情なる刺客!ヴォジャノーイ再戦!』
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易自由都市側の『大陸最強』を除いては。
巨大猿に隼が特攻。
結果は一蹴。
かの巨腕に頭部を掴まれたフィグネリアは大地に寝かしつけられ、そして思い知らされる。
(これが……大陸最強)
飛翔する間もなく、この力を肌で、直で味わされる。
なおも痛感させられる。わざわざ自分たちを牢屋まで連行しなくてもよかった理由が。
それは、この巨人が独立交易自由都市に根を生やしているからだと。
いつでも自分たちをねじ伏せられるものかと。
「だからこそ『わしら』はガイの挑戦を見届けねばならん!」
怒号の如き説教。だがこれで終わらない。
「いいか!『貴様等』で絶対に『神剣』を完成させろ!」
ともあれ――
このヒューゴー市長の人となりをしる人物ならば、驚愕を禁じえなかったに違いない。
だが、一見冷徹に見えるかもしれないが、その内面は計り知れないほどの苦悩に満ちていたはず。
誰もが立場があり、生活があり、小さきかもしれないが、その明日に向かって生きねばならない。
ある不幸な事件が――ガイをこの地から追いやってしまった。
市民権を放棄して独立交易自由都市から出ていったのは凱に違いないが、実質自分たちが追い出してしまったようなものだと、あの日からずっと思っていた。
しばしの沈黙――――そしてテーブルの中心に置いてあった受話器がじりじりと鳴り始める。
「市長!団長!火急の知らせです!」
昔でいうところの黒電話というものか。
かつてヴァレンティナがそうしたように、市長もまた電話を拡声運用に切り替える。
「都市内で悪魔契約発現!そして……騎士セシリーの子息が何者かによって拉致!」
「――――なんだと!?」
この瞬間、独立交易自由都市は悲鳴と共に戦火に包まれていくこととなる。
【数刻前・独立交易自由都市・3番街居住区】
交易役所に凶報が飛び込む数時間前まで都市全体はもちろん、ここ工房リーザも平和そのものだった。
いつものように太陽が昇れば、鳥たちが喜びに囀り、朝露の冷たさが新しい一日の刺激を伝えてくれる。しゃきりと目を覚ました後は農家を転々と赴き、実用品の廃材回収と、野菜のおすそ分けをもらい、主の為の朝ごはんをつくる。退屈だけど、幸せに満ちた一日を享受できる。ルークとセシリーさんの、そして二人の子供がいて――みんながいて――
少女型の悪魔、リサ=オークウッドにとって、これ以上の幸せはない。凱のことを除けば。
(やっぱりガイさん……セシリーさんの話が本当なら……まだあのときのことを……)
雑貨の買い出しに街へ繰り
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