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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
第27話『非情なる刺客!ヴォジャノーイ再戦!』
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きなれた市長と、その上司である団長の了承を得て入室する。

「迅速な事後処理対応ご苦労様でした。レジナルド君」

正装の男性。年齢は三十代後半に差し掛っているはずだが、容姿はもっと若く見える。口元に髭を生やし、髪には若干のくせ毛と、苦労故の蓄積物である白髪。前大戦時の功績で圧倒的支持率を得て市民から『再抜擢』されたこの市長は、血統に関係なく『ハウスマン』のファミリーネームを襲名している。その名の通り、彼は4年間この独立交易自由都市の政権を預かる市長なのである。

「いえ、礼には及びません」
「市長がほめてくれたのだ。少しは喜んだらどうだ?」

ポン――と、レジナルドの肩に岩をも握りつぶせそうな巨大な手を乗せたのは、とても齢60代には見えない屈強な肉体の持ち主だった。茶黒の肌をした偉丈夫。鼻がつぶれ、頬には首元にまで至る十字の刀傷があり、腰には馬の鞍に掲げるような大剣を所持している。
独立交易自由都市の七つの騎士団を統括する総団長にして、レジナルドの上司であるハンニバル=クエイサーだ。

「これくらいは治安を維持する騎士団にとって当然の事です」

長年の付き合いなのか、こんな返事もハンニバルの予想の範疇だったらしく、軽く肩をすくめるにとどめる。市長室を見渡すと、本来なら実務品と市長しかいないのだから、もっと予備スペースがあるものだと思っていた。が――今は珍しく人口密度が高い。
長いソファーに座る市長と、その後ろに立つ団長。代表者とその護衛役という構図は簡単に見て取れる。しかし――市長と対面している女性3人は一体何者なのだろうか?
三人とは――

お歴々を前にしても臆することなく、足を前に組んで遠慮なく座っているフィグネリア。
正反対に縮めて遠慮がちに座るティッタ。
その間には礼儀正しそうに座るヴァレンティナ。
どうも身体を拘束されているわけでもないが、流石に武器は没収させられた。というか、レジナルドがそうさせてもらった。
二刀の短剣はもちろんのことだが、何よりレジナルドの警戒を最大限に高めさせたのは、ヴァレンティナの持つ竜具エザンディスだ。
気味の悪いくらいの紫色と、漆黒に調和するような紅玉。まるで意志を感じられる光沢に戦慄を覚えたのだ。

自分を含めて計6人。ちょっと狭い。

「それでどうするのですか?こいつらの処遇は?」

物言いとして治安を乱す者には容赦のないレジナルドらしい。しかるべき処遇を受けるべきと思っていた故に、彼は市長に説明を求めずにはいられなかった。その横にいるハンニバルは苦笑い気味に応える。

「ちと面倒なことになった」
「面倒なこと……ですか?」
「私が直接お話します」

どうやらこの淑女が3人娘の代表者らしい。レジナルドはヴァレンティナをそう認識した。

「申し遅
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