第27話『非情なる刺客!ヴォジャノーイ再戦!』
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眠る社の境内で、ヴォジャノーイはおくるみに包んだコーネリアスを木の枝に結わえる。
途端にさらに激しく鳴き声を上げるコーネリアス。
「ゼノブレイドはここにあるものかな?」
しかし、赤子の鳴き声はやはり魔物と言えど癪にさわる。
「びーびーやかましいよ!はぁ……これだから子供は嫌いなんだ。あの嬢ちゃんの時もそうだったし」
彼の青年に浮かぶのは、栗色の侍女の姿。
「まあいいや。時期に君のお母さんがくるから……そしたらたんまり食わせてもらうよ。君を取り返すための身代金をね」
金喰い蛙ヴォジャノーイ――――今まで喰らった金貨は数知れず。
そして、喰らった金貨の貯蓄総額もまた数知れず。
人の命は金で賄える。ならば、好物の金を喰らうのに最も確実で手っ取り早い手段は『身代金』以外にありえない。
「あの時は嬢ちゃんの身代金食えなかったからな……代わりに銃の竜舞を喰らったし」
過去を思い出し、苦い気分に沈んでいると、何者かが近づいてきた。
「お……」
最初、たっぷり脅しを聞かせた母親が、いいつけ通りに身代金と護神刀を持ってきたのかと思ったが、即座にヴォジャノーイはその判断を否定する。
並々ならぬ気配。されど既視感のある気配。忘れるはずがない。
「……銃じゃないか!会いたかったよ!」
「その赤ちゃんを離せ!ヴォジャノーイ!」
「おうおう!その鬼気迫る声は懐かしいねぇ……『銃』!!」
「独立交易自由都市にまで足を運んで何を企んでいる!?」
現われたのは獅子王凱。あのあとセシリーの元へ即座に戻り、事情を聴いた凱は迷うことなく、コーネリアスの助けに向かった。
「君と同じだよ。神を殺せる物騒な剣を、悪い奴に利用される前に確保しに来ただけだって」
「赤ちゃんを人質に取っておきながら、あくまで自分たちの正当性を主張する……相変わらずふざけた奴だ!」
「ん〜〜よく考えたら『不殺』の君には必要ないものかもね。出来たらこのまま譲ってくれたらうれしいんだけど」
ティグルの家宝だけでは飽き足らず、今度はルークの家宝さえも欲する図々しさ。
だが、ヴォジャノーイの言葉もあながち当たらずも遠からず。
実際に、凱が求めているのは護神刀ではなく、アリファールの修繕。
それもただの修繕ではなく、既存のアリファールを超える、求めるのはまさしく『新たなる剣』。
神に対する優劣を決める剣がどれだけ希少な代物かなど関係ない。エクスカリバーにしろ、デュランダルにしろ。
――――暁の果ての聖剣―――
その竜具以外を凱は求めていない。
「お前が探している護神刀など、欲しければくれてやる!だがその前に、その子を放してからだ!」
まず確保しなければならないのは、人質とされたコーネリアス
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