52 世にも奇妙な正統派ブラック企業と美の暴力ww
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もうそろそろ、稽古もお開きの時間である。一部の隊士たちはまだ残って実践の練習をするそうだが、私だって真選組の中では監察と副長補佐の任を兼ねているので、そんなに暇ではないのだ。副長からは容赦ない書類山を渡され、一方では監察としてのレポートをまとめる。またその一方では、隊士たちのシフト表を作らねばならない。これも本来であれば立派な副長案件の仕事なのだが、何しろ副長本人の目の前には(どこからともなく湧いてくる)書類の山で机が占拠されている状況なのだ。おそらくその状況を作り出している真犯人は沖田に違いないのは薄々気づいてはいるのだろうが、勿論真犯人はこれについて責任を取るつもりはミジンコレベルもないのが現状であると推測される。沖田のせいで我々が被害を被っているのだから、また沖田を脅せば早いのかもしれないが、いつかこっぴどくし返してやるための材料として、今は上がりつつある溜飲を下げておくことにしよう。
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とんでもない量の書類を自室のデスクで捌いていると、お隣の副長室方面から若い男の声が聞こえてきた。手はそのまま作業を続けながら、耳だけそちらにシフトする。
_「っチーす、テツッス。えぇっと、同朋さんでしたっけ?イヤオレ正直、小姓とかよく分かんねェんだけどォ、要は『攘夷』とかいうチーム、刈ればいいんスよね??…オレマジ喧嘩なら敵ないんで、オレにもヘッド飾らせてくんないッスかァ?でも正直ィ、自分より頭良いやつに頭下げんのがポリシーに反するっつーか、縛られたくないンすよ。オレたちャァ、上と下もねェ産まれながらにして自由でェ、ま、そこにあるなァ友達か敵か、それだけッスよォ。…えーなんで、ナメた口聞かれるとオレキレるかもしんねェんでェ、マジ気を付けた方がいいッスよォ?手が付けられなくなるんでェ、ま、お互いフェアに行こうゼってことでェ。よろしくトシィ!イェーイ!!!」
_「イェーイ…よろしく、テツゥ…!!」
イライラしてんなぁ。
でも副長の気持ちも分からんでもない。私ならば…生きて帰せる自信がないので黙っておこう。
_「これてアンタとオラァ一生もンの友達だぜェ。イェーイ!!」
イェーイ…
_「ンじゃ、喧嘩になったらすぐ呼んでくれよなァ?友達召集していつでも来ッからよォ。」
_「うーん、よろしくなァ??」
これはこれは厄介なことになったぞ。ある意味、佐々木の企みは成功したと言えるだろう。晩御飯が心配である。
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思った通りの結果であった。
_「副長、小姓付いたって本当ですかぁ?」
_「ん?…あァ。」
_「良かったですね。前から忙しい忙しいって言ってましたもん
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