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初めてのヌードモデル(詩織の回想)
下着の痕って、どれくらいで消えるんだろう。 パンツまですべて脱ぎ去った私は、ガウンを着る前に姿見を見た。
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は「病院」だ。

パンツ一枚だけ残して検査着を羽織り、看護師に検査室まで連れていかれ、結局、検査着を脱いでレントゲンに心電図だった。
中学生のときだったけど、あれは何の病気だったんだろう。

ゼミ室というアトリエに入る。

イーゼルで囲まれたモデル台。
10人ほどの学生。半数が男子学生。

系列校とはいえ、キャンパスは離れているから、それら大学生の誰ひとり面識はない。

教授が前説した。
短大生・詩織であるという最低限の情報が開示され、
さりげなくヌード初体験・コスチューム未経験だと付け加えられた。

教授の合図でガウンを脱ぐ。

一瞬で、一糸まとわぬ裸になる。

頭が真っ白になるとか、強烈な羞恥を覚えるということはなかった。

30分前のパンツを脱いだ時点が羞恥のピークで、パンツを穿かないで人間社会の中で過ごしたことの異様さが羞恥心を消したのだと、あとで自己分析したが、はたして正しかったものか。

白い布を敷いたモデル台に緊張したことを覚えている。

その上で、私はオブジェに変わる。


今日の実技はクロッキー。

クロッキーは素早くデッサンを終えるべきものだから、次々とポーズを変えるよう指示が出る。

ただし、完全に静止する時間が短いので、意外にも初心者のモデルに向くらしい。

モデル──見本。

私の体そのものが「美」なら嬉しいけど、そこまでの自信はない。
。なにしろ初仕事だし。

それでも、初体験とは思えないほど、見事なポージングだったそうだ。

たえとば、脚を前後に開いて立ち、やや上体を倒すポーズ。(横から見ると「入」の字の形)
乳房とお尻のさりげない突き出し方が完璧で、指示もなしにできたモデルは初めてだと、教授がその場で褒めてくれた。

そんな風に私もリラックスしてやっているうちに、あっという間に終了時間になっていた。

最後のポーズは四つんばいだった。

普通は水着のモデルにしか指示しないポージングだそうだ。

こうして、初体験は終わった。

そのあとアルバイトとして何回かモデルをこなすうちに、
プロも在籍する事務所に登録して、

今に至ります。
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