暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica39-C堕ちた騎士〜Bogen Paladin〜
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スには傷1つとして付いていない。ガラガース卿から以前聞いた話では、何かしらの動物の爪を加工した物らしい・・・。“イゾルデ”を再びシュッツェフォルムへと戻して「お借りしますね」スタウロス3本を回収してオーバースカートのベルトに挟み込んで、ガラガース卿との闘いに備える。

「もうしばらくそのままでいなさい」

狼をそのまま拘束しておいて、私はその部屋から移動を開始。狼が私を襲撃したにも拘らず帰還しないことにガラガース卿もすぐに気付くだろうから、どういった行動に移るかは判らない。でもこの場に留まることだけはやめた方が良いというのは判る。

「次はここ・・・」

この階の角部屋へと入ったところで・・・

――五乙――

「っ! 魔力はんの――きゃあああああああ!?」

この部屋にある窓間壁3枚が赤錆色の魔力爆発で粉砕された。その衝撃で私は部屋の奥へと吹き飛ばされて壁に叩き付けられ、床に落ちた瞬間に奔る右太ももから全身へ拡散する激痛に「〜〜〜〜〜っ!!」声にならない悲鳴を上げた。

(スタウロスが・・・!)

傷口を抉ったことで出血量が多くなって、床に血溜まりを作っていた。このままでは出血によって意識を失ってしまう。それどころか失血死の可能性も。だけどそんなことを考えている余裕がない状況に。ゴゴゴと地響きが起こって、上の階が道路側へ向かって傾き始めた。今の攻撃でこの階の道路側の支柱を全て撃ち抜いたんだ。このままだと崩落に巻き込まれる。そう判ってはいても「足が・・・!」動かせない。

(死ぬ?・・・こんなところで、こんな形で・・・?)

まだ何も成していないのに。たった独りで死ぬなんて嫌だ。だから最後まで諦めずに足掻こう。ルシルさんからは、大隊の本拠地へ潜入するまでは大隊を刺激しないでほしい、と言われていたけれど・・・。

「命が懸かっていれば問題ないはず! ルシルさんと結ばれぬまま死ぬなど真っ平です!」

――昇華――

魔術師化。それが私やアンジェ、クラリスに新たな境地を開かせた切り札。2人は魔術師化するための儀式の際、前世の記憶を見たと言っていたのに、私はそんなことなくアッサリと魔力に神秘を付加させることが出来た。

――トリシュは別にオーディンやその子孫の転生者というわけではないしな。とはいえ魔術師の血を受け継いでいるのも確か。それでいいんだよ。前世の記憶を覗いてもきっと、良い事なんてないはずだ――

ルシルさんはそう言ってました。でもアンジェとクラリスはその前世の記憶のおかげで、前世の魔術を扱えるようになった。対する私はサッパリで。魔術師化を扱いこなせるようになるための修行をイリスとセレスから受けたアンジェとクラリスとは別に、私は苦手とするサポート系の魔法をルシルさんから2人きりで教わった。


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