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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica39-C堕ちた騎士〜Bogen Paladin〜
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。鉄パイプから指を離し、直進ではなく弧を描いて落下するように射る。狙い通り鉄パイプは弧を描きつつ向かいの建物の屋根へと吸い込まれ、カラーン!と甲高い音を立てた。

――スタウロス――

狼の背部装甲にある“エクスターゼ”が鉄パイプの落ちた屋根に向けてスタウロスを即時発射。スタウロスは軒先を大きく抉り、空の彼方へと消えていったのが見えた。

「場所を移動しないと・・・」

同じ場所に留まってさらに狙撃するような間抜けな真似は出来ない。右手を壁について体を支え、左足だけでピョンピョンと移動して3つ横の部屋へ。窓枠から顔だけを出してガラガース卿の様子を窺えば、やはりその場から1歩とて動いていないけれど・・・。

「狼が居ない・・・? ハッ!」

――スタウロス――

空の方でチカッと光ったのが判った私は慌てて窓間壁に身を隠す。その直後に耳に届く金属音。そして衝撃と痛みが右肩に奔って「づっ!?」苦悶した。スタウロスは壁を貫通していて、よりによって太ももを縛るために千切った右袖の無い肩を撃ってきた。ただ、幸いなことに直撃ではなく掠った程度・・・とは言っても痛いものは痛い。

「迎撃しないと・・・!」

壁から離れて、痛みを堪えて生成した魔力杭4本を魔力弦に番えて襲撃に備えていると、「オオオン!」鳴き声と共に窓から突入して来た狼。各個撃破の機会を与えてくれたことに感謝しつつ・・・

「捕らえよ!」

――とぐろ巻く連環の拘束蛇・紡ぎ檻――

4本を一斉に射た。狼は瞬発力を以って直撃を避けたけれど、屋内戦でこの魔法から逃れられるのはそうはいない。4本の杭は床、壁、天井を突き刺さり、螺旋状に解けるようにチェーンバインドと化して、部屋を縦横無尽に蹂躙する。

「グォ!?」

「もう逃がさない!」

バインドに絡まった狼がもがく中、私は“イゾルデ”を双剣形態「フェヒターフォルム!」へと瞬時に切り替え、「グォォォ!」咆哮を上げる狼へと突っ込む。噛み付こうと大きな口を開けている狼の鼻っ面に柄を「でぇい!」振り下ろした。きゃいん、と苦悶の声を漏らす狼に僅かなりの罪悪感が生まれはしたけれど、今は押し殺す。

「紫電・・・一閃!」

――皆伝・紫電一閃:(ほむら)――

右手の“イゾルデ”の剣身に炎を纏わせての斬撃を繰り出して、背部装甲の旋回台に取り付けられている“エクスターゼ”を真っ二つに斬り断つ。

――皆伝・紫電一閃:(いなずま)――

左手の“イゾルデ”の剣身には電撃を纏わせ、「ごめんね!」狼の額に峰打ち。感電したことで狼は泡を吹いてぐったりと動かなくなった。非殺傷設定ということでお腹は動いているし、死んではいない。

「スタウロス・・・」

デバイス・“エクスターゼ”と違ってスタウロ
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