暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica39-C堕ちた騎士〜Bogen Paladin〜
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気で戦う際には助けてもらっておるのだ」
ザフィーラさんほどの大きな狼が1頭、そこ居た。ルビーのような瞳は4つあり、先端が目の無い蛇の頭になっている尻尾が5本、ただの狼ではないことは明らか。その狼は、ザフィーラさんのように両脚に装甲を着けていて、背中には旋回台付きの装甲が装着されていて、台にはもう1挺の“エクスターゼ”が備え付けられていた。
(ああいう魔法獣に詳しいクラリスなら種族名を知っていそうだけれど・・・)
尻尾の先端にある蛇頭が銜えているスタウロスに目が行っていたところに、内1つの蛇頭が“エクスターゼ”にスタウロスを番え始めた。さらに「さぁ、次は避けれるか?」ガラガース卿も、スタウロスを番え終えている“エクスターゼ”を私に向けた。
「ぐっ・・・くぅ・・・!」
右太ももにスタウロスを貫かれたまま私は行動を開始。2本のスタウロスに狙われていて、ソレは防御魔法を難無く撃ち抜ける威力。なら身を隠すことを優先しないと。痛みを気合で押し殺し、右手に魔力付加。
「でぇぇぇーーーーい!」
足元を殴って道路を大きく抉り、瓦礫やら砂煙やらを巻き上げて隠れ蓑にする。ガラガース卿は「いいだろう、仕切り直しと行こうじゃないか!」と、私が一時離脱することを笑って許可した。何とか立ち上がって、血の跡が残らないように注意しつつ右足を引き摺って道路を横断し、10階建てのビルのエントランスへと入る。
「抜いたら・・・さすがにダメですよね・・・?」
そもそも触れることすら出来そうにない。今でさえ痛みで泣きそうなのを堪えているのに、自力で抜くことになったらどんな醜態を晒すかも判らない。滲み出る涙を袖で拭いつつ階段を上がって、たどり着いたのは最上階。屋上の方が見晴らしはいいけれど、その分隠れ場所が少ないから却下だ。
(ガラガース卿はどこに移動したか・・・)
上着として着ているショートジャケットの右袖を千切って、ソレで右太ももをキツく縛り上げながら窓枠から頭上半分だけを出して、先ほどまで私たちの居た道路をチラッと見下ろす。ガラガース卿はその場から1歩も動かずに、暢気に狼の頭を撫でていた。
「カイトシールドを解除した・・・?」
スタウロスも左手の指に挟んでいる4本と、“エクスターゼ”に装填済み1本の計5本、そして狼の5本のみ。計10本のスタウロスの猛攻を凌いだうえで確保なり撃破しなければ、私は・・・死ぬ。
(悔しい気持ちはあるけれど、今は生き残りつつ勝つ。それだけを考える!)
カイトシールド1枚につき40本のスタウロスが内蔵されている。それが今は10本だけなら、まだなんとかなるはず。床に落ちている鉄パイプを手にとって“イゾルデ”の魔力弦に番える。狙うのは向かいの3階建ての建物。音で相手の注意を逸らす術の1つだ
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