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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica39-C堕ちた騎士〜Bogen Paladin〜
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†††Sideトリシュタン†††

私たちオランジェ・ロドデンドロンを殺害するべく投入された大隊の主力の中に、私が乗り越えたいと10年以上願っていた相手が居た。弓騎士の頂点たるボーゲンパラディン、ガラガース・バイエルン卿・・・。潜伏や狙撃移動変更が大事な弓騎士であるにも拘らず、その騎士甲冑は迷彩色のフルプレートアーマー。さらにひし形状の盾、カイトシールド4つが側に浮いている。

VS・―・―・―・―・―・―・―・―・
其は誇りを捨て堕ちた弓騎士ガラガース
・―・―・―・―・―・―・―・―・VS

「はっはっは! まさか、このような形で嬢ちゃんと顔を合わせることになるとはな!」

盛大に笑い声を上げて白髪交じりのボサボサ髪を掻いた。でも私は一切笑えない。現騎士団の最古参=幹部であるガラガース卿が敵として目の前に居る。事前に幹部クラスの騎士が大隊と繋がっているであろうことは、トラバント団長の件で考えうる話だったし、みんなで話し合って覚悟もしていた。

(でも・・・あなただけは、大隊側であってほしくなかった・・・)

尊敬する人であり、師匠であり、越えるべき壁であり、一言では表せない大切な人だった。私が睨んでいることに気付いたガラガース卿は真剣な表情になって、「すまぬな〜。このような事になってしまってな〜」申し訳なさそうに謝った。

「しゃ、謝罪ということはつ、つまり・・・自ら進んで大隊に下ってはいないということですよね・・・!?」

そうだと思った。ガラガース卿が進んで犯罪者になどになるわけない。きっと私たちのように大隊を探るために、大隊の味方のフリしていたに違いない。なんて、安堵していたところで・・・。

「いいや、そうではない。嬢ちゃんと殺し合いという形で決着を付けねばならないということだ!」

ガラガース卿は足元に赤錆色に光り輝くベルカ魔法陣を展開。右手に持つ弩型デバイス・“エクスターゼ”を私に向けた。弓床で1m、弓で80cmもある大きさで、本来は魔力矢(というか杭)を装填して撃ち出すものだけど・・・。

「対人では決して使用しないスタウロスまで持ち出して・・・!」

対物破壊杭(スタウロス)での攻撃に非殺傷設定なんて優しいものはない。私の防御魔法で防ぐのもまず無理。だからこそ「本気で、本気で殺し合いをするつもりですか・・・?」と問う。

「無論。わしも、ラヴェインも、ガリフットも、ここには居らんが大隊に組することを良しとせずに引退したライオネルやマドールといった、俗に言う最古参――幹部と呼ばれるわしらは、管理局という組織がまだ絶対の法の管理者ではなかった頃、教会に弓引く者たちと命を懸けた死闘を経験してきた」

ガラガース卿が小さく上げた左足で魔法陣をズンッ!と力強く踏み付けた。魔法陣から強烈な
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