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第百二十話 エル・ファシル星域会戦リターンズその2です。
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までくれば後は各艦隊の操艦技量と砲の集中にかかっている。それに自分にはやらなくてはならないことがある――。
敵味方の砲撃が錯綜する中、ヘルヴォールは護衛艦隊と共に後退する。だが――。
「艦長!敵の砲撃が激しすぎます!!もう・・・・限界です!!」
女性クルーたちが艦長に叫ぶ。
「たっ、耐久シールド限界間際・・・・!!」
「提督!このままではヘルヴォールの耐久シールドが破壊されます!!・・・・あぁっ!!」
艦長が声を上げた。ヘルヴォールの耐久シールドが敵の砲撃で消失したことを示すアラームが艦に鳴り響く。
「艦長、シールド消失しました!!」
「わかってる!!見ればわかる!!艦内の動力をシールド機構に優先して振り分け、復旧急いで!!・・・・提督!!もう、後一発でも食らったら、艦が壊れますっ!!」
「砲撃、来ます!!」
「間に合わない!!」
女性クルーたちの悲鳴が飛び交う。
「・・・・・っ!!・・・・・・・・?」
艦長は観念して閉じていた眼を開け、不審がった。砲撃が直撃したはずなのに、艦内が静かなのはどうしてなのだと。
フィオーナの身体から淡い青いオーラのような物が立ち上ったように見えたのだ。それと共に信じられない事が起こった。ヘルヴォールの耐久シールドはとっくにゼロになっているのに、そして、そのシールドアラームがまだ鳴り響いているのに、敵の直撃砲撃を弾き返していたのである。
その現象はヘルヴォールだけでなかった。周囲の護衛艦隊も同様なのである。はじき返されたエネルギーはそのまま敵艦隊に跳ね返り、次々と命中し、風穴を開けていった。
「後退!!全速後退っ!!」
艦長が叫んだ。この機を逃してはならない。ヘルヴォール以下撃ち減らされた護衛艦隊は急速後退を開始し、動揺する敵艦隊の風穴を突破した。
「艦長!!敵の艦艇が――!!」
「ヘルヴォール、主砲、斉射、3連!!撃てェッ!!」
至近距離で命中した自由惑星同盟の艦艇が目の前で木っ端みじんになり、破片が降り注ぐ。その光景を見ながら艦長はちらっとフィオーナを見た。眼は閉じており、右手を胸に当てて、体から立ち上るオーラが見え隠れしている。
「敵との距離、安全圏に達しました!!」
「シールド復旧完了!!」
その瞬間、淡いオーラが消え、崩れ落ちそうになるのを片手片膝をついて支えようとする総司令官の姿が見えた。慌ててサビーネとエステルが支えようとする。他のクルーたちも駆け寄ってきた。
「提督!!」
「総司令官!!」
「医療班!!すぐに来て!!」
「大事ない・・・わ。それよりも、ワルキューレ部隊の収容を・・・・早く・・・・!!急いで・・・・!!」
「でも・・・・!!」
「命令を伝達して・・・・!!それ
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