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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百二十話 エル・ファシル星域会戦リターンズその2です。
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わけにはいかないもの。」
* * * * *
「ヴァーミリオン・・・・・!!」
フィオーナが漏らしたのは、ヤン・ウェンリーがラインハルト直属艦隊を巧妙な戦術で完全包囲下に置いたあの会戦の名前だった。まだ敵の体制は完全包囲になっていないが、それがそう遠くない未来に実現するであろうことを彼女は悟った。
「後方の敵はエレインさん、左の敵はティアナ、そして右は私が引き受けます。アースグリム改級の波動砲の一斉射後、高速艦隊をもって敵陣に斬りこみ突破します!!後の事は考えないで!!まずは突破することだけは考えてください!!最終合流地点、イゼルローン要塞!!」
フィオーナが矢継ぎ早に指示する。彼女の指揮下にあって連戦を共に潜り抜けてきたアースグリム改級部隊を指揮するのは、シエル・マスケッタ准将。
「野郎ども!!姐さんに傷一つ付けさせちゃいけねえってのは分ってんだろうナァ!?カチコミにきた奴ら、一匹逃さず塵クズにしてやろうじゃねえか!!」
レディ・リードと異名を持つ彼女は赤い短い髪に短すぎるスカートに分厚い編み上げブーツを履き、いつも右足を艦橋操艦計器類に踏みしめて指揮する姿が定番となっていた。どんなに激戦になってもその姿勢は崩れない。そのためクルーたちが専用の足踏み台をいつも踏みしめる場所に取り付けたほどである。
彼女もまた貧しい極貧の出であり、間引かれそうになったところを女性士官学校に入校したのである。入校当初荒れていた彼女は誰彼構わず突っかかったが、同期であるフィオーナとティアナに「反撃」されてからは一転して二人に心髄する人間になった。ティアナはひそかに彼女を「ヤクザ」と呼んでいたが。
そんな「ヤクザ」の彼女がタメを専門とするアースグリム改級を預かることとなったことに同期の皆が不思議がった。どちらかと言えば格闘戦のワルキューレか戦艦乗りがしっくりくる。ある日同期会でその理由を聞くと、
「タメにタメた鬱憤をブチまけて敵をなぎ倒すのは壮観じゃねえか!!」
と言う答えだったので、同期の誰もが納得した。
「アースグリム改級、波動砲斉射準備に入りました!!」
フィオーナはすぐにワルキューレ部隊に指示を飛ばした。
「その間アースグリム改級は無防備になる・・・・。ワルキューレ部隊は全力を挙げて敵からアースグリム改級を守り切ってください!!」
フィオーナ本隊の正面に立ちふさがったのは、ヤン艦隊本隊であった。
フィオーナ艦隊はヤン艦隊に押し込められている。体勢を立て直す暇もなく、次々と部隊がすりつぶされるようにして消えていくのである。
ヤン・ウェンリー率いる相手の攻撃は桁違いだった。何よりも重い。そしてこちらの攻撃を受け付けない。アムリッツァ星域会戦で10万隻の追撃戦をわずか一個
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