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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
7月
第76話『七夕』
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正直に答えたはいいが、二人の反応を見て数秒後に晴登は己の不手際に気づく。今の言い方では誤解しか生まれない。


「あ、いや、違う、今のはそういう意味じゃなくて──」

「…ごめん晴登、私は邪魔者だったみたいね。今度からは別々に学校に行こう」

「いや、ホントに違うんだって!」


莉奈がシリアスそうに受け取るので、晴登は必死に弁明する。
すると彼女は小悪魔っぽい笑みを浮かべて、


「冗談冗談。晴登ったらすぐ信じちゃって〜」

「全く、心臓に悪いな…」

「俺も晴登と一緒に学校行くの止めるわ」

「え、まだこの下り続けるの?!」


時間差でボケてくる大地に一喝したところで、朝のチャイムが鳴る。莉奈と大地は名残惜しそうに晴登の元を離れた。


「朝からハードすぎるだろ…」


晴登はまた静かに頭を抱えた。






時が過ぎるのは早いもので、あっという間に6時間目のHRの時間になった。山本が教室に入って来るのと同時に、晴登はあることに気づく。


「えー今日は七夕なので、皆さんには短冊に願い事を書いて貰おうと思います。もう校門で書いた人は自習してて構いません」

「結局書くのかよ…」


フリーイベントなのかと思えば、やはりそうは問屋が卸さない。結局は願い事が人目に晒される運命のようだ。
山本は手に持っていた短冊を皆に配っていく。


「でも、あの願い事だけは書かせないようにしないと。なぁ結月──」クルッ

「ん、なに?」


晴登は結月に一言言っておこうと振り向くと、結月は早くも短冊に何かを書いていた。晴登は書かれた文字を一瞥して、恐る恐る問う。


「・・・ねぇ、俺の名前が書いてあるように見えるのは気のせい?」

「うーん、事実かな」

「否定してくれよ…」


くっきりとボールペンで書かれたそれを見て、晴登は大きく嘆息した。でも名前だけだ、まだ間に合う。


「結月、俺の言いたいことはわかるよな…?」

「バカにしてもらったら困るよ。ハルトの考えてることなんてボクにはお見通しさ。とりあえずこの後は、『ずっと一緒に居られますように』って──」

「何もわかってないじゃん! それだけは書くなよ! 絶対書くなよ!」

「ふふん、ボク知ってるよ。そういうの"ふらぐ"って言うんでしょ?」

「いや回収しなくていいから!」


結月の手を止めるために、晴登は必死に説得する。彼女の願い事をあんな公の場に晒す訳にはいかない。今後の日常を守るには、今ここで止めなければならないのだ。


「む〜ハルトは強情だなぁ。仕方ないからボクが折れてあげるよ」

「え、何、俺が悪いの? 悪くないよね?」


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