第六話
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でなかったことも相まって、ポケモンとは縁遠い生活だった。
だから、このラルトスにそんな感想を抱くわけがない。
「……うーん、どこで見たんだろう?」
「気の所為とは思わないのか?」
「思えない、ですね」
だけど、それを気の所為と思うには、この感覚はあまりにも強すぎた。理由はわからないけど、間違いなく、このラルトスとはどこかで出会った事がある。
そんな気がしてならなかった。
「……」
そんな僕をユウキくんは、訝しそうな目でこちらを見ていた。そりゃあ、突然こんなことを言い出したら仲のいい人だとしても変に思うだろう。
「…………ぴー?」
そんな時、そんな鳴き声が部屋に響いた。
ベッドを見ると、上半身を起こしたラルトスが、キョロキョロと辺りを見渡していた。
「ラルトス!目を覚ましたんだね……!」
「俺、ジョーイさん呼んでくる!」
ユウキくんはそう一言言うと、急いで病室から出ていった。
残された僕は、ベッドの横に座って、ラルトスと同じ目線になる。
「ここはポケモンセンターだよ。君、池の前で傷だらけだったんだよ?」
「ぴー?ぴー……」
僕の言葉に、驚きながら返事をするラルトス。僕らはポケモンの言葉を理解できないのに、ポケモンは僕らの言葉を理解しているのが、少し不思議だった。
「えっと……その……これからさ、どうしたい?」
何を話せばいいのかわからなくなった僕は、何故かそう口にしていた。それほどまでに、このラルトスのことが気がかりなのだろう。
「ぴー?」
「ほら、その……せっかく会えたし……じゃなくて………その……えっと……あーもう!!」
僕がこれから言おうとしていることは、僕のエゴだ。
『君のことが気になって仕方ないから、一緒に来て欲しい』だなんて……ワガママにも程があるだろう?
人に傷つけられたラルトスにそんなこと言ったとしても、恐怖があるかもしれない。
だから僕は、言い出せなかった。
こんな時にも、自分の思い切りのなさが、腹立たしい。
「…………ぴー」
そんな僕を見たラルトスは、ゆっくりと立ち上がった。
「ラルトス!?まだ寝てないと──」
「ぴー」
僕がラルトスを寝かせようとすると、ラルトスは僕に右手を差し出してきた。
それは、まるで握手をしようと言っているように見えた。
「……えっと……ほんとに握手……って、こと?」
「ぴー!」
僕の質問に、力強く頷くラルトス。
「え、っと……はい」
僕も右手を差し出し、ラルトスの小さな手を握る。
ラルトスは僕の右手を掴むと、真っ直ぐ僕の方を見てきた。
「ぴー♪」
そして、すごく上機嫌に鳴いたかと思うと、眩しいほどの
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