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妖精のサイヤ人
第三話:クロッカスの武道会!強くなるチャンス!!
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修行していなければ今頃自分は魔獣の餌にでもなっていただろうよ。

オレを9年間も育ててくれた現世の育ての親の”姉”に稽古で組手をしてオレは手と足を使って攻撃仕掛けた。
殴る、殴る、蹴る、殴るに見せかけての回し蹴り。
それらの攻撃を姉さんはその場から身動きせず、只々オレの攻撃を涼し気な顔で捌いてく。
オレの攻撃に無駄があれば「手本」としてカウンターに殴られ、蹴られた。
しかもオレから見て、受けても無駄のないその動きは武道として綺麗で、技として見習いたいという欲が生まれて、より一層オレの修行は捗った。
次の場面は魔力、オレからしたら”気”の制御の訓練だが。
最初は瞑想し、己を見つめ直す。
余計な思考はせず、ただ瞑想した。
気がつけばオレの手から光が浮かんでいた。
まるで前から使えたような変な感覚を覚えたが、それはきっと気のせいだと決めて姉さんに報告した。
姉さんの提案により森の岩に向けて一番やってみたかった技を真似し、放ってみれば――一切傷のない岩。
うわぁ…オレの”気”弱すぎぃ…?
それでも、オレが放った技を見て姉さんは嬉しそうに笑ってくれた。
また修行をつけてくれて、少しずつだけど強くなっていく感覚を覚える。
戦闘力といえばまだまだ千にも届かない気がするけど、それでもめげずに修行を続けることにした。
漫画やアニメで見た技を習得しようと踏ん張ったり、今までダメージを与えたことのない姉さんに一矢報いるように攻撃して、そして全然効かなかったり、またアトバイスされるようなことがあった。
えぇ…ちょっと姉さん…アンタ強すぎない…?なに、戦闘力千超えなの?それとも万超えなの?
思えば、家族としてあの人のことについて知らないことが多い。てかあまり教えてくれない。
赤ん坊だったオレを拾ってくれて、育ててくれたり、修行を付けてくれたり、魔法や文化について、そしてサイヤ人が普通に存在していることを教えてくれたり、色々世話になった。
本当、どこに転生したんだオレはと頭痛くなる思いをしたけど、それでも今生きている。
修行して、少しずつ強くなって、良い親に恵まれている。
実の両親に捨てられたなんていう過去があったけど、それのおかげで今の家族に巡り会えたから特に気にすることはない。
ただ―――――どんなに強くなっても魔獣に手足出せない状態が1年以上かけたことに対しては別だ。

本当、なに?オレに闘いの才能がないの?非戦闘員質なのオレ?
…姉さんや、ちょっとオレを瀕死にしてくんない?そうそう、サイヤ人のあれ、瀕死によるパワーアップ…てか知ってんのねそれ。
え?いいの?…躊躇なくない?え?可愛いオレのため?躊躇わない?…少し躊躇ってくれてもいいのよ?
あっあっ…待って、
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