ブラック上司な士郎くん!
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「あ」
沖田の発言にカーターが間の抜けた声をあげた。
どうやら同じ事を言おうとしていたらしい。俺としてはきちんと考えてくれていた事の方が嬉しいので、そこは問わない。
「そうだな。軍で言えば憲兵に当たる部隊は必要になりそうだ。お春風に言えば『新撰組』か?」
「あはは、ここがぁ! 新! 撰! 組だぁ! って土方さん風に荒ぶっちゃいそうですね! うーん、アリかもしれません! いっそ『誠の旗』を立てて、本物の新撰組で警邏隊を引き受けちゃいましょうか?」
「却下だ。常に宝具を発動し続ける気か? 平時は一個中隊を警邏に回すとしよう。訓練はお春がつけてやれ。それと……そうだな、シータを隊長とする。二人で協力して綱紀粛正に務めろ」
「はい! 分かりました!」「はい」
よろしくお願いしますねー! と沖田の天真爛漫な笑みを向けられ、シータも微笑みながら応じた。
案外いい組み合わせかもしれない。性格と能力を鑑みても。
「カーターも同じ事を提案しようとしてくれていたんだな?」
「は。しかし他に思い付くものはありませんでした。申し訳ございません」
「気にするな。考える事を止めなければそれでいい」
情けない顔で謝ってくるカーターに手を振る。
長々と会議する必要のある議題の内容は、これからじっくり煮詰めていくとして、それより先に詰めておく話がある。
一応確認した。
「他にはあるか? ……ないみたいだな。なら役割を割り振るぞ。シータ、お春、スカサハは今言った通りでいい。カーターは今まで通りだ。後でエドワルドにも伝えてくれ」
「は!」
「アルジュナは窓際族だ。基本的に二十四時間体制で周囲の見張りを」
「お引き受けしましょう」
「頼むぞ。俺は全体を見て回るから、口出しする事は多々あるかもしれないし、逆に何もないかもしれないが……仕事をしてない訳じゃないから目くじらを立ててくれるなよ?」
くす、とシータが笑みを見せた。出会った当初から身に付けている短剣が、なんともいじらしい。早く彼女の伴侶、ラーマを見つけてやりたいなと思う。
まあ放っておいても颯爽と駆けつけてきそうではあるのだが、何もしない訳にもいかない。
とりあえず俺はスカサハに言った。
「そちらの仕事が終わってからでいい。スカサハも全体を見て回ってくれ。兵士の訓練全般は委任する。死なない範囲でしごいてやれ。それから自然環境も厳しいからな、寒さ対策のルーンを頼む。あとこの大陸は魔獣もいそうだからな、それらを引き寄せ狩り場を作れるならやってくれ。貴重なタンパク質になる。それと兵士達の使える武器の生産も任せた。後は……」
「……待て。待てマスター」
こめかみを揉みながら、スカサハが待ったと言う。
心なし、冷や汗を掻いていた。気持ち顔色
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