ブラック上司な士郎くん!
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の城を中心に砦を幾つか建てればいいが、そちらはマスターと兵士、それか民の仕事とすればよい」
「……」
「…………」
「………………驚きましたね」
沈黙する俺達。アルジュナがポツリと溢した。
む、どうしたと言いたげなスカサハに、俺はお手上げのポーズを取った。
「……本当になんとかなってしまいそうだな。これからは『流石ですスカサハ様』を『人類愛』の標語としよう」
「やめんかっ」
スカサハは気恥ずかしげに頬を染める。持ち上げられるのは恥ずかしいらしい。
……云千歳のお年寄りがこんなリアクションをしているのを見たら、クー・フーリンはどんな顔をするだろうか。そう思うも、そういえば中身も外見相応になっているんだったなと思い出す。
「三つ目の議題は『兵士の練度の向上』だ。カーターも自覚はあるだろうが、お前達の練度は高いものではない。今のままの練度では、いずれ俺達全員の手が回らなくなり、お前達だけで行動しないといけなくなった時に困った事になる」
「BOSSはそのような時が来る、と?」
「必ず来るだろう。サーヴァントや俺だけが死力を尽くす……それだけでは越えられない事態が――いつか必ず起こる」
断言した。根拠は怪しいが、トップの人間は責任の所在と発言を曖昧にしてはならない。
必ずそうなる、必ずそうする、明言し続けねばならないのだ。そして有言実行せねば何も貫けない。今回は災害に備えるのと同じだ。災害は起こらない方がいいが、起こって欲しくないから問題点を考慮するのを放棄し、思考停止して備えないのは愚の骨頂である。
故に兵士の練度を上げておくのは必須の備えだ。必要不可欠の力となると、俺は確信している。
「お前達からは何かあるか?」
現状俺が提起する問題は以上だ。本当は他にもあるが、皆から挙げてもらいたい。
沖田が手を挙げた。カーターも挙げようとしたが、遠慮したらしい。
「あ、じゃあ私からいいです?」
「いいぞ。それと挙手する必要はないからな」
そうなんです? と小首を傾げる沖田に微笑ましくなる。なんというかその一挙手一投足が活発な少女らしく映って可愛らしく思ってしまう。
「はい。えっと……人住まうところに罪ありきってわけじゃないですけど、騒動が起こる火種っていうのはどこにでも転がってるわけです。ですので、この城……名前なんでしたっけ?」
「話を脱線させるなよ? 名前は知らん。カーター達も知らないようだからな。なんなら天国の外側とでも名付けるか?」
冗談めいて言うと皆が苦笑いを浮かべた。確かに天国の外側にありそうな現実だと。
「ま、沖田さんとしては名前なんてなんでもいいんですけど。ともかく、警邏隊を発足させるべきなんじゃないかなって思いました」
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