女性看護師の手によって上半身はむきだしにされた。
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それくらいだったら女優さんが出演すればいいのに。
わざわざヌードモデル使わなくてもよくない?
事務所で話を聞いて、そう思った。
いたって真面目な健康番組。
乳がん早期発見。
上半身裸で乳房を見せるだけ。
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当日はノーブラにワンピースで総合病院に行った。
検査着に着替えると思ったら、スタイリストさんは、デニム(テレビ局が用意した)を穿いて、上半身裸になるよう指示した。
「自分の部屋で一人でできる自己診断のやりかた〜見てチェック〜」の実演のためだった。
処置室で撮影。最初からいい位置に鏡があった。
その鏡で乳房をチェックする──腕をあげて形を見る。
カメラは始めは背中から撮っていたが、やがて、私が回れ右して、正面から乳房をカメラにさらすよう指示された。
カメラは正面だが、私は自分の胸を鏡で見ているという想定なので、
ちらりとも恥ずかしい様子を見せずに、無表情を保たならければならないが──
ヌードモデルだから楽勝だった。
続いて、「触ってチェック」。
自分で触り、揉んで、異変をチェックするやりかたの説明。
女医さんがお手本として、私の乳房を実際に触って教え、私がカメラの前で忠実に再現する。それを繰り返すわけだ。
あとの方になると、かなり強く揉まれた。
それに忠実に、揉む。痛かったら痛いなりに。
自分からは見えないが、おぞましく乳房が変形しているのではと不安だった。
──それでも無表情キープ。
▽
その女医さんが私を診察する様子も収録されたが、
検査着をはだけた後ろ姿だけだった。
ここを正面から撮ったら、それこそ興味本意だというそしりを免れないだろう。
いよいよマンモグラフィ。
未知の体験だった。
とりあえず、ショーツだけの体に検査着に着ていたが、女性看護師の手によって、上半身はむきだしにされた。
例によってカメラは背中を撮り、左の乳房が機械にはさまれてからは、アクリルのクランプの間の乳首を撮った。
今度こそは、おぞましい変形という表現で間違いないだろう。
撮影とはいえ、実際に機械は作動していた。
乳房の痛みも現実だった。
最後に、最新鋭のMRIの紹介。
乳房専用のその機械は、被験者はうつぶせで、乳房をコイルという[二つのくぼみ]に入れる。だから上半身は裸になる必要がある。
分かりやすくするために、四つんばいの姿勢からカメラがスタートするのはいいとして、検査着の前を開いた正当スタイルの他に、
もっと分かりやすくと、パンツ一枚のバージョンも撮影された。
テレビ映えするかもしれないが、プライベートなショーツだからいやだなぁと困惑の表情のまま、四つんばいからうつぶせになる動作を撮った。
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後日
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