第九幕その九
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「ドロシー王女お久し振りだね」
「お久し振り」
笑顔で応えたドロシーでした。
「お婆さんもお元気そうね」
「見ての通りね」
お年寄りの女の人の声と喋り方の始祖鳥でした。
「あたしはいつも元気だよ」
「それは何よりね」
「ええ、かかしさんと樵さんもいてね」
それにと言う始祖鳥でした。
「ジャックさんと大尉さん、トトの坊やもいるね」
「お婆さんから見れば僕は坊やだね」
「そうだよ、あたしは何しろはじめの鳥だよ」
それでと言う始祖鳥でした。
「それだけにね」
「僕も坊やなんだ」
「あたしはオズの国の鳥で一番の年寄りの一人だからね」
「それでなんだね」
「あんたも坊やさ、皆もね」
ドロシ―達もというのです。
「特にそっちの子達はね」
「僕達のことだよね」
「そうだよ」
始祖鳥は神宝に笑顔で応えました。
「あんた達のことだよ」
「やっぱりそうなんだ」
「あんた達のことは聞いてたよ」
「それでも会ったのは」
「はじめてだね、いや男の子は皆ハンサムで」
笑顔で言う始祖鳥でした。
「女の子は別嬪さんばかりだね」
「そうかな」
「僕達そんなに顔いいかな」
「普通だよね」
「私達そんなにね」
「奇麗かしら」
「安心おし、あたしは嘘は言わないよ」
また言う始祖鳥でした。
「それでね」
「五人共なんだ」
「顔がいいっていうんだ」
「ううん、そうは思わないけれど」
「けれど本当のことってね」
「始祖鳥のお婆さんが言うのなら」
「ええ、私もそう思うわよ」
始祖鳥だけでなくドロシーも言ってきました。
「五人共ね」
「そうだよね、五人共美形だよ」
「僕達は前から思っていたけれど言わなかったけれど」
「その通りだよ」
「確かに皆お顔いいから」
「そのことは確かと思っていいよ」
このことをです、ドロシーだけでなくトトも言ってでした。かかしと樵、ジャックに大尉も五人に言いました。
そしてです、大尉は五人に特に言いました。
「それぞれ顔立ちが違うけれどね」
「それでもですか」
「それぞれ顔立ちがいいんですか」
「人種が違ったりしてますけれど」
「お肌や髪の毛の色が違ったり」
「目の色も違ったりしますけれど」
「そのそれぞれでね」
まさにというのです。
「整っているよ」
「白人、黒人、黄色人だったね」
始祖鳥は人種のお話もしました。
「それぞれの整い方があってね」
「僕達はそれぞれで」
「それぞれの顔立ちで」
「それぞれ整っていて」
「いい感じになってるの」
「そうなのね」
「そうだよ、もてるだろうね」
こうも言った始祖鳥でした。
「五人共ね」
「そうだといいけれどね」
神宝が五人を代表して言いました。
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