四十三匹目
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に背を向けて座りなさい」
なるほど尻尾もふらせろって訳か。
「むぅ…王女ずるい」
「私の翼でももふるか?」
「それでいいや……」
メリーちゃんが不満っぽい。
「あらあら、このくにの王女様はぶかに慕われてませんのね」
隣に女の子が立っていた。
人間の女の子だ。
その後ろに二人引き連れている。
「ん? シラヌイ、彼女らは?」
「僕に聞かないで」
「私もしらない」
「知らんな」
クーちゃんが臣下(要するに僕ら)に聞くが誰も知らなかった。
だって知らないんだもん。
「はっ! この私を知らないなんて聞いて呆れますね! わたしはミズガリア王国のパシフィア公爵家が長女、マーガレット・O・パシフィアでしてよ!」
留学生さんらしい。
クーちゃんが臣下を手招き。
顔を付き合わせる。
「知ってる人挙手」
「お婆様が国外貴族の家名とか教えてくれるわけないじゃん」
「ミズガリアには色々卸してるけど国外貴族はあんまりしらない」
「これと言って武勲ある家ではないな」
「それより長女にしては若くないかしら?」
「代替わりしたばっかりなんじゃない?」
「ぬいちゃんの言うとおりだと思う」
と話していると…。
「ちょっとぉ! わたしを無視しないでくださいな!」
クーちゃんが解散のハンドサインをした。
「あー。すまないなマーガレット。君の事はあまり知らない」
「はっ! 所詮奴隷種族の娘ですね!」
「おいお前今何て言った?」
ダークエルフは、エイルヴァイオンにおいて奴隷種族として虐げられてきた。
それを見て正義を成したのが、クーちゃんの曾お爺さん。
トレーネ様のお爺さん。
つまり現スヴァルティア国王。
そしてミズガリアは、スヴァルティアとは国交を結ばず、事実上エイルヴァイオンの属国だ。
マーガレットに開いた手を向ける。
マーガレットの首の周囲に、氷の短槍を作る。
「貴様、この国でその言葉が何を意味するか解っているのか?」
ゆっくりと、手を閉じていく。
それに合わせるように、氷の槍を首に近づける。
「貴様ミズガリアの貴族と言ったな」
ミズガリアは、人間の国だ。
"忌々しい人間達"の国だ。
「エルフやダークエルフに魔力で劣り我ら獣人種族に肉体で劣る人間風情がよくもまぁ」
「シラヌイ。そこまでにしておきなさい」
「わかったよ…クーちゃん」
手を握る。
氷を散らす。
「この国が気にくわないなら今すぐ帰って祖国で仲良しこよししていろ」
「まぁ、そういう事だマーガレット。
私はシラヌイの尻尾をもふるので
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ