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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第36話 Side.Mafia
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ースだけの格好になると、急に視界が傾いて、背中に柔らかい感触が伝わる。ベッドに押し倒されたのだろう。顔が触れてしまいそうな距離に、湊さんの顔がある。

「琴葉。私も脱がせてくれる?」
「……はい」


???これからすることは、貴方の想像にお任せします。



と言う事は無くてですね?

体を起こして、彼の外套を脱がせる。続いてベストも脱がせて、ネクタイも取る。そしてシャツのボタンをいくつか外すと、彼は満足した様に微笑を浮かべて、私の横に腰を掛けた。

「ありがとう。……で、あの日にやった事、聞きたいよね?」

あの日。

第一魔法刑務所で新年魔法大会があった日。

「あの日、まず虹村美桜を操って、それっぽい雰囲気を出させて貰った。その後、真冬君とグレース君、響君、仁君に頼んで、モニター越しに観戦していた人達を殺して貰った。それは君も分かっているだろう?」
「はい。……あの時は、まだ……はっきりと覚えています……」
「そうだよね。……じゃあ、君が絶刃を使って反抗したのは?」

私は“絶刃”という刀を愛用している。絶刃は魔法で作られた剣ではないため、魔法無効化でも消えない。魔法で別空間に置いておいて、そこから引っ張り出して使う事も出来るが、絶刃なら離れた場所にあったとしても、イメージのみで手元まで呼び寄せる事が出来る。刃で空間を引き裂いたり、空間を超えて刃を届かせたりも出来るから、昔マフィアに居た時からずっと使っている。

???と、誰かが言っていた。

「え……そうなんですか?」

戦闘が終わってひと段落ついた後、毎回の様に絶刃を握った瞬間からの記憶が無い事に気付く。戦闘中にはそれ以前の記憶はあるらしいが、戦闘が終わって絶刃を手放した瞬間、記憶が消えるらしい。

私に残るのは、“絶刃”という刀を使っていると言う事だけ。
私は、絶刃の強さすら分からない。

「やっぱり忘れているか……君は絶刃の空間断絶を巧みに使って反抗していた。だが、君が匿っていた被験体七つと、君と共に被験体達をマフィアから隠してきた翁の死体を持ってきた瞬間、君は崩れ落ちた。心が弱った隙に、君の心を操らせて貰った。君が全く私と関わりの無い人だったら無理だったかもしれないけど……君は私の人形だからね。簡単だったよ」
「……人形……そうですね。私は貴方の人形です」
「昔交わした約束、思い出してくれたかい?」

「……『僕が君の主になろう。そうすれば、君はずっと生きていける。だから、君は僕を守ってくれ。そうすれば、僕と君は、ずっと一緒に居られるね』……そうですよね、湊さん」

大戦の始めの頃、魔法は主に二つの組織が研究していた。

一つは
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