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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第36話 Side.Mafia
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マフィア以外の違法組織が、最も恐れる時間。
マフィアは夜を好む。
今のマフィアのビルには、湊さんの護衛をする構成員や、様々な場所の防衛、管理をする構成員しか残っていない。
マフィアに逆らったら、死ぬ。
マフィアに目を付けられたら、死ぬ。
そんな恐怖を抱えながら、マフィアに逆らった違法組織は消えていく。
今日もまた、悲鳴と絶叫と共に、いくつかの組織が消える。
だが、マフィアに戻って来て一日目である私に、組織を壊滅させる等、荒事の任務がある訳がなくて。
「琴葉君、失礼するよ」
「はい……どうぞ」
執務室で、幹部達から流れて来た書類を書いていた手を止め、私は立ち上がる。
それと同時くらいに執務室の扉が開き、湊さんが部屋に入ってくる。
「早速仕事とは……仕事熱心で偉いね、琴葉」
「ありがとうございます、湊さん」
湊さんは仕事の時は私の事を“琴葉君”と呼ぶ。だが、二人きりだったり、メイドしか居なかったりする時は、私の事を“琴葉”と呼んでくれる。それがなんだか擽ったくて、小っ恥ずかしくなる。けど、嬉しいのは確かだった。
「琴葉、おいで」
「はい……」
湊さんは私の部屋の扉を開け、手招きをする。勿論、それに逆らう事は無く、私は彼の方へと歩いて行って、部屋に入った。
私の部屋はよく首領である湊さんや、幹部が集まる。なので、大事な用件をちゃちゃっと説明して、その後はグダグダと喋る事が良くある。小一時間、幹部達全員で集まって、茶会だったり、読書大会???拷問や作戦の立て方参考になる本だったり、文学書だったり、外国語の参考書だったりを黙って速読する。私の部屋でやる意味や、皆で集まって本を読む意味は全く無い???をする事も珍しくは無い。
その為、私の部屋には敵対組織や政府、居る訳が無いのだが組織に送り込まれた諜報員等の盗聴を防ぐ為、防音対策がしっかりとしてある。小さな会議の内容を聞かれたり、幹部達が揃ってサボっている所を見られない様にする為にも、カメラも付いていない。
そんな私の部屋を、湊さんは好んでいる。
なにをしてもバレないから。
「琴葉。ジャケット脱いで」
「はい……脱ぎました」
「じゃあ……来て?」
湊さんの方へ行くと、彼は私の腕を持ち上げて、指を軽く口に含む。指先に温かい感覚が伝わってきて、妙な擽ったさを覚えるが、彼はそのままドレスグローブを外していく。
両方のグローブを外して、今度はコルセットに手を掛ける。自分で出来ますから、と小さく呟くと、彼ははにかみながら、照れ隠しかな、と返す。矢張り、彼はキザな男。
コルセットも外して、ワンピ
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